日沼諭史の「AI活用入門塾」
平凡すぎるExcelグラフをCopilotとDesignerで見違える出来映えに
2026年7月24日 07:00
今や当たり前の存在になってきたスマホやパソコンで使えるAIツール。まだ本格的に触れたことがない人でも、便利に使いこなすためのヒントをお届けします。
Excelの表データは標準機能でもボタン一発でグラフ化できるものの、よく目にするありきたりな体裁になってしまいがち。プレゼン資料に貼り込んでも、平凡なグラフだと説得力が薄くなってしまいかねません。そんなときに試してみてほしいのが、AIアシスタントの「Copilot in Excel」と「Designer」の組み合わせです。
シンプルなプロンプトでグラフを作成してみる
まずは前提として、Excel内で使えるマイクロソフトのAIアシスタント「Copilot」には2種類あり、切り替えて使えることを頭に入れておきましょう。
1つは「Microsoft 365 Copilot」で、これはExcelやWordなどMicrosoft 365アプリで汎用的に使えるAIアシスタントです。Excelデータを分析したり、データに関する意見をもらったりすることはできますが、データをAIに編集してもらうことはできません。
もう1つは「Copilot in Excel」で、こちらはAIがExcelデータを直接編集したり、データを元にグラフを作成したりできるものです。データに関して質問や確認したいことがあればMicrosoft 365 Copilotを使い、AIにデータ編集してもらいたいときはCopilot in Excelを使う、というような切り分けになります。
たとえばCopilot in Excelに以下のような簡単なプロンプトを投げれば、複雑なデータが対象であってもあっという間にグラフができあがります。
しかし、これだとやはり「ありきたり」すぎて、プレゼン資料に貼り付けてもイマイチ相手に伝わりにくいのではないでしょうか。
Python in Excelも使って少しでも見映えのするグラフに
もっとわかりやすく、ある程度見映えのするグラフにしたいときにはどうすればいいのか。方法の1つは「プロンプトで詳しく指示する」ことと、「Python in Excelでグラフを描画してもらう」ことです。
細かくプロンプトを組み立てるのは少し大変ですが、グラフ作成にあたって重視したいポイントを箇条書きしていくだけでもかまいません。
また、一度作成したプロンプトのエッセンスは「個人設定」に登録しておくことで、共通の「約束事」として今後のグラフ作成に活かせます。同じ条件を毎回プロンプト入力せずに済むので、手間の軽減にもつながるでしょう。
なお、Python in Excelを利用することでより複雑なグラフも表現できるようになります。が、グラフ内の日本語は文字化けしてしまう問題があります。これはプロンプトや個人設定で工夫すれば回避可能です。
グラフを作るときは、シート名、列名、既存の集計表を確認し、データの粒度と主要KPIを把握してから可視化してください。
「営業KPI」シートでは、売上、売上目標、目標達成率、営業件数、商談件数、受注件数、受注率、新規顧客数を優先して確認してください。
グラフタイトルは、ユーザーが指定した文言ではなく、データから読み取れる主要な結論を短い文章にしてください。
グラフはプレゼン資料に貼り付けやすい16:9の横長レイアウトとします。
色はブルー、オレンジ、グレーを中心に3色以内に抑え、売上実績はブルー、目標や注意点はオレンジ、補助情報はグレーで表現してください。
枠線は削除し、グリッド線は薄くし、データラベルは重要な点だけにしてください。
Python in Excelで日本語を含むグラフを作る場合は、Seabornのテーマ設定後に excel.FontPath.JAPANESE と FontProperties を使って日本語フォントを設定し、plt.rcParams["axes.unicode_minus"] = False も設定してください。タイトル、軸ラベル、目盛り、凡例、注釈にも同じ日本語フォントを適用してください。
「営業KPI」シートを確認し、月別の営業実績が伝わるプレゼン向けグラフを作成してください。
どのシートや集計表を使うべきかを判断したうえで、売上、目標、達成率、受注率などから最も伝えるべきポイントを見つけて、結論が伝わるタイトルにしてください。
Python in Excelを使い、日本語が文字化けしないようにしてください。
「Designer」でグラフを総仕上げ
プロンプトによる指示を細かくし、Python in Excelも使うことで見やすさは多少改善されました。が、プレゼン資料に貼り込んで使うにはまだインパクトの面で物足りなさがあるように感じます。
そこで最終仕上げに利用したいのが、Microsoft 365 Copilotのチャットで使える「Designer」ツールです。Copilot in ExcelからMicrosoft 365 Copilotのチャットに切り替え、先ほど作成したグラフをコピーしてチャットに画像で貼り付けます。
そのうえで下記のようなプロンプトを入力して実行すれば、驚くほど見映えのするグラフ画像ができあがります。「デザイン要件」は好みに合わせて調整しても良いでしょう。
手間のかかるプロンプト入力はカスタムスキルで省力化可能に
このように、ひとまずユーザーの側ではデータとして見せたい部分を網羅した最低限のグラフを作り、仕上げにプレゼン用の見映えの良いグラフィックにする際にDesignerを使う、という流れにすれば、Excel上でのデータ整理やグラフの編集作業も複雑にならずに済みます。
ただデメリットもあって、グラフのスタイルを決定づける個人用設定やプロンプトが長くなってしまうのが1つ。グラフ作成以外の作業を指示するときは個人用設定の内容をいちいち変えなければいけない、というのもネックです。
このあたりは今後Excelに実装される(一部テストユーザーにはすでにリリースされている)「カスタムスキル」で解決できる予定です。必要なときに必要なスキルを呼び出せるので、場面に合わせた柔軟なAI活用が可能になるはずです。
















































