日沼諭史の「AI活用入門塾」
出張の面倒な下調べはChatGPTの「エージェントモード」に任せよう
2026年6月12日 07:00
今や当たり前の存在になってきたスマホやパソコンで使えるAIツール。まだ本格的に触れたことがない人でも、便利に使いこなすためのヒントをお届けします。
ChatGPTでは、「Plus」以上のプランで「エージェントモード」という機能が利用できます。しかし、使い所がわかりにくく、活用している人はあまり多くないかもしれません。今回はエージェントモードがどういう時に便利に使えるものなのか、簡単に紹介したいと思います。
1つ1つやりとりするのではなく、ひと続きで任せられる
GoogleのGeminiやMicrosoft Copilotにもエージェントモードが用意されているものの、前者は日本のユーザー向けには2026年6月時点で未リリース、後者はWordやExcelといったアプリ内で使える機能となっていて、汎用的に使えるのは今のところChatGPTのみです。
エージェントモードは、情報収集からWebブラウザなどのツールの操作、資料など成果物の作成までを「ひと続きの作業として任せられる」ことが特徴とされています。通常のAIチャットでもそれら個々の作業はこなしてくれるので、わざわざエージェントモードを使わなくても済みそうな気がします。
ただ、「ひと続きの作業として任せられる」ことに着目すると、いつも手間がかかっている作業が劇的に楽になる可能性があります。たとえば仕事で出張が決まったときのタスクを考えてみるとどうでしょうか。
出張する際に必要な事前の準備を挙げると、主に「移動」と「宿泊」に関わる判断が数多くあり、さらに会社に提出する申請書類も必要になりそうです。
これを手作業で行なうとかなり面倒です。まず移動に何を利用するか、出張先での予定に合わせて何時に出発すべきか、前泊・後泊すべきかどうか、その場合に宿泊先をどこにするかを判断しなければならず、さらに帰りの移動の仕方も検討することになります。
そのうえで他のメンバーと予定を共有するためにカレンダーに登録し、出張申請書、仮払申請書などを記入して提出するような社内手続きも発生するでしょう。こうした一連の複数タスクを自動化するのに、エージェントモードが助けになります。
たとえば下記のようなプロンプトを入力し、エージェントモードをオンにして、Google カレンダーとの連携も有効にしたうえでChatGPTに依頼します。
6月30日に名古屋出張があります。朝8時から15時まで名古屋駅周辺で仕事をし、できれば当日中に東京へ戻りたいと思います。
交通手段、必要なら前泊ホテル、お土産、行程表、カレンダー登録案、出張申請書案までまとめてください。
不明点は一般的なビジネス出張として仮定し、外部サービスへの登録・作成前だけ確認してください。
【プロンプト例】
指示を送ると内部で仮想的なデスクトップが起動し、そのなかでChatGPTが作業を開始します。移動方法や宿泊先を調べる様子がわかり、得られた情報を整理し終えたらユーザーに提示します。かかる時間は使用するモデル、行程や依頼内容の複雑さにもよりますが、今回のケースでは15分で一連の作業を完了しました。
そのなかでユーザーが何らかの判断や操作を求められることは一度もなく、最初から最後までひと続きでこなしてくれました。もし提案された内容に不満があったとしても、追加で細かく指示を与えればもちろん対応してくれますし、申請書もテンプレートをあらかじめ提示しておけば、それに沿った体裁で作成してくれます。
問題なければ、提案内容に従って新幹線やホテルを予約し、申請書を提出した後、カレンダー登録をChatGPTに指示して完了です。大幅な負担軽減になるうえ、ChatGPTが作業している15分間、ユーザーは他の仕事に時間を割けるというのもメリットでしょう。
これを通常のチャットで作業してもらうと、ユーザーがたびたび指示を出し、ChatGPTが回答して、気に入らなければ修正を依頼し、またChatGPTが回答して……と何度もキャッチボールを繰り返すことになります。結局自分で作業した方が早い、なんてことになりかねませんが、エージェントモードならそんな負のサイクルに陥らずに済むのです。
突き詰めていくとプロンプトが長くなる……のはどうする?
ただし、今回のプロンプト例では課題もあります。あくまで例なのでざっくりとした指示にしましたが、本来ならもっと多くの条件があるはずで、それを含めるとプロンプトが長く、複雑なものになってしまいます。
たとえば東京駅から離れた場所に居住していることがほとんどでしょうし、細かく出発地を設定する必要もあれば、ホテルの条件(1泊あたりの価格上限、禁煙かそうでないかなど)や新幹線の座席の好み(窓側または通路側がいいなど)その他諸々を網羅したくもなります。出張のたびに同じ内容をいちいち入力するとなれば、やはり手間に感じます。
しかし、ChatGPTにはそういった手間を省いてユーザーのプロフィールや好みに合った条件で作業してもらえる方法もあります。それは次回ご紹介したいと思います。












































