日沼諭史の「AI活用入門塾」

ローカルAIって何? スマホでも使える&無料&安全で、いいことずくめ?

 今や当たり前の存在になってきたスマホやパソコンで使えるAIツール。まだ本格的に触れたことがない人でも、便利に使いこなすためのヒントをお届けします。

クラウド型AIとローカルAIのメリット・デメリット

 ChatGPTやGeminiなどは、サービスを提供している企業のサーバー上で処理を行なうクラウド型のAIツールです。手元のスマホやパソコンでは、そのサーバー側の処理結果をインターネット経由で受け取って画面に表示しています。

ChatGPTのような最先端のAIを利用できるツールはクラウドで提供されています

 最先端のAI(「フロンティアモデル」とも呼ばれます)を動かすには超高性能な機器が必要で、スマホやパソコンで処理できるような規模ではありません。我々一般ユーザーは、そうした高度なシステムをサブスクリプション料金(従量課金)を支払って利用しているわけです。

 一方で、サーバーなどの外部と通信することなしに、手元にあるスマホやパソコン(もしくはLAN内サーバー)の上でAI処理を直接行なうこともでき、それをローカルAIと呼んでいます。またはローカルLLMと呼ばれることもあります。

 ローカルAIは、必然的に「その端末で動くレベルのAI」になるため、AI性能もそれに準じたものとなります。つまり、クラウド型AIよりは「賢くない」のが通常です。

 それでも、サービス利用料金が不要であること、機密情報をAIに渡しても第三者に閲覧される危険性が原理的にはないこと、といったメリットがあります。クラウド型AIとローカルAIの違いを簡単にまとめると下記の通りです。

【ローカルAI vs. クラウド型AI 比較表】

スマホとパソコンで使えるローカルAIツール

 ローカルAIは性能こそクラウド型AIには及びませんが、インターネットにつながっていなくても利用でき、(電気代以外の)コストを考えずに何度でも試せる、というのもメリットです。では、具体的にどんなツールでローカルAIを使えるのか、スマホ用とパソコン用で分けて紹介します。

スマホでローカルAIを試せる「Google AI Edge Gallery」

 スマホで最も手軽に使えるローカルAI用のツールが「Google AI Edge Gallery」です。あらかじめ用意されている複数のAIモデル、または自分で用意したAIモデルをスマホにダウンロードして、それを読み込むことでAIチャットや画像の認識、音声データからの文字起こしなどが可能になります。

軽量なモデルデータでローカルAIを試せる「Google AI Edge Gallery」

 スマホの少ないリソースで動作することを前提としているため、用意されているAIモデルデータは小さめで、最大でも5GB程度となっています。高度な分析は難しいかもしれませんが、ローカルAIがどういうものか、というのをとりあえず試してみたいときにぴったりです。

□Google AI Edge Gallery
・iPhone
https://apps.apple.com/jp/app/id6749645337
・Android
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.google.ai.edge.gallery

軽量AIから大規模AIまで無料で使えるパソコン用「LM Studio」

 「LM Studio」はパソコンで簡単にローカルAIを試せるツールです。公開されている多数のAIモデルの中から好きなものを選び、自分のパソコンにダウンロードして、AIチャットや画像分析などが行なえます。

多様なAIモデルを無料で利用可能な「LM Studio」

 数百MBの小規模なものから、数百GBの大規模なもの、得意分野が異なるものなどさまざまなAIモデルがあり、すべて無料で使えます。ただし、パソコンの性能(主にメモリ容量)に合った適切なものを選ばないと動作しない、または動作しても処理が遅くて実用できないことがあるので注意しましょう。

□LM Studio - Local AI on your computer
https://lmstudio.ai/

ローカルとクラウド、適材適所で使い分けたい

 ローカルAIはサービス利用料金が不要で、セキュリティの心配が少なく、ネットにつながっていなくても利用できる、という点が大きな強みです。とはいえ、AIの賢さは端末性能に左右されます。どれだけ高性能なパソコンを使ってもクラウド型の最新AIにはまだ及ばないでしょう。

 ですので、仕事にも確実に役に立つ、という意味では今のところはまだクラウド型AIに分があります。高度な処理が求められない反復作業のようなものであれば、ローカルAIでも間に合う可能性があるので、クラウド型AIとローカルAIを適材適所で使い分けるのが、最小限のコストで効率よくAIを活用する秘訣です。