日沼諭史の「AI活用入門塾」

決まった作業を何度も繰り返すなら「プロジェクト」にまとめておく!

 今や当たり前の存在になってきたスマホやパソコンで使えるAIツール。まだ本格的に触れたことがない人でも、便利に使いこなすためのヒントをお届けします。

 前回まで、仕事での出張手続きを例にエージェントモードやメモリ、カスタム指示といった機能の活用例を紹介してきました。そういった似たような条件で何度も繰り返し発生しがちな作業において、役に立つもう1つの機能が「プロジェクト」です。今回はシンプルな例とともに、どんな風に使えるか解説したいと思います。

プロジェクト機能とは?

 プロジェクト機能はChatGPTだけでなく、ClaudeやCopilotにも用意されています。いずれも使い方はだいたい共通していて、簡単に言うと、AIに依頼する作業のルールなどを「1つの箱にまとめておけるもの」というようなイメージになります。

Claudeのプロジェクト機能
Copilotのプロジェクト機能

 たとえば、そのプロジェクトの中でのみ有効な前提となる指示を記述しておけますし、参考にするファイルやデータも一緒に登録しておけます。メモリやカスタム指示とも組み合わせることができますが、プロジェクトのなかで指示した内容が優先される仕組みです。

 例として、この連載記事やブログなどのWebコンテンツで使う「サムネイル画像の作成」に利用することを考えてみましょう。ここではChatGPTのプロジェクト機能をもとに説明することにします。

頻繁に行なう画像作成をプロジェクト化

 まずはタイトルを付けてプロジェクトを作成し、設定画面の「指示」に基本的なルールを記述します。何をするプロジェクトなのか、画像の比率やテイストはどうするか、といったあたりを決めておくと良いでしょう。

ChatGPTにアクセスし、サイドバーにある「プロジェクト」の「+」ボタンをクリック
プロジェクト名を入力して「プロジェクトを作成する」をクリック
プロジェクトができたら右上にある設定ボタンから「プロジェクト設定」を選択
「指示」に下記のような内容を入力して「保存する」
【「指示」の設定例】

Web記事・ブログ用のサムネイルを制作する。
画像比率は原則1:1とし、別途指定がある場合はそれを優先する。
別途プロンプトで指定した文章のテイストに合う色合いを基調にしつつ、視認性とビジネス向けの落ち着きを優先したシンプルなデザインにする。
日本語テキストを入れる場合は、短く、大きく、読みやすくする。
文字量は必要最小限とし、1枚で伝える主旨を絞る。
情報を詰め込みすぎず、余白を活かして分かりやすく構成する。
派手な光彩、過剰な装飾、細かすぎる背景、意味のない英字は避ける。
修正時は、元の意図を保ちつつ、よりシンプルで視認性の高い方向にする。

 次に、作成にあたって守ってほしいより細かな条件などがあれば、別途テキストファイルにまとめてアップロードしておきます。もし過去に作成した参考にしてほしい画像があれば、それも追加しておくと良いでしょう。

ルールを記述したテキストファイルや参考画像をアップロード
【追加ルールの例(rules.md などにファイル保存しアップロードする)】

## よく使う構図

- 改善前→改善後型
- 長い指示 → 短い指示
- 比較型
- 3ポイント型
- 手順型
- 注意喚起型

## 構図の使い分け

- 改善前→改善後型:ビフォーアフター、整理、要約、改善の表現に使う
- 長い指示 → 短い指示:プロンプト改善や要約を見せるときに使う
- 比較型:2つの概念やサービスの違いを見せるときに使う
- 3ポイント型:要点を3つに整理したいときに使う
- 手順型:設定方法や使い方の説明に使う
- 注意喚起型:注意点や落とし穴を目立たせたいときに使う

## 避けたい表現

- 派手な光彩
- 過剰な装飾
- 細かすぎる背景
- 意味のない英字
- 文字の詰め込みすぎ
- 小さすぎて読みにくい文字
- 主旨が一目で分からない構図

 指示と追加ルールとで被っている要素もありますが、絶対に守ってほしいルールがある場合はこのように両方に同じ内容を記述しておくのがおすすめです。

 というわけで、rules.mdと参考画像(あれば)をアップロードし、この記事の内容の一部をプロンプトに貼り付けたうえで「以下の記事内容を元に画像作成してください」のように指示を送ります。

プロンプトを入力して送信

プロジェクト化してルーチンワークをもっと楽にしよう

 結果、下記の画像が出力されました。ただ、これだと筆者が期待していたよりも文字数が多く、サムネイルにはあまり適していないようにも感じられます。ここから必要に応じてルールやプロンプトを調整するなどして、自分の望む画像に調整していくと良さそうです。

最初に出力された画像はあまりサムネイル向きではないものになってしまいました
何度かやり取りして、最終的にこのような画像に

 ルールが固まってくればプロンプトを短くできるため、定期的に一定フォーマットの画像を作成する作業を省力化できます。画像生成に限らず、前回までのような出張に必要な手続きや、経費精算などの作業もプロジェクト化すれば、一段と効率化を進められるはずです。

 普段のルーチンワークを見渡してみて、プロジェクト機能で楽になりそうな作業がないか、みなさんも改めてチェックしてみてはいかがでしょうか。