日沼諭史の「AI活用入門塾」

「Claude Cowork」と「Computer Use」でデスクトップの整理から始めてみよう

 今や当たり前の存在になってきたスマホやパソコンで使えるAIツール。まだ本格的に触れたことがない人でも、便利に使いこなすためのヒントをお届けします。

気軽に始められるエージェンティックAI

 AIツールは、一問一答のチャットとしての使い方から、時間のかかるまとまった作業を最初に依頼して最後までやり切ってもらう、というようなエージェント的な使い方が当たり前になってきました。

 コーディングもその1つですが、日常の事務作業など、もっと身近なところからエージェント的に使えるサービスが「Claude Cowork」です。

Claude Cowork

 現在のところCoworkが直接利用できるのはClaudeのデスクトップアプリ(Windows、macOS)のみとなっています。スマホアプリからは「Dispatch」という機能を通じて、リモートのPCで動作しているデスクトップアプリに対して指示を出したり、作業状況を確認したりできる、という形になっています。

 Coworkには、ユーザーが普段PC上で行なっているような操作全般を任せることができます。PC内にあるファイルの整理、資料の作成、Webサイトの巡回などです。

 最初はどういう使い方、役立たせ方ができるのかイメージがつきにくいところもあるかもしれません。なので、ここでは例として、PCを業務に使用しているときの「あるある」な困りごとを解決するところから試してみたいと思います。

デスクトップに散らかったファイルを整理整頓する

 PCを長く使っていると、どうしても一番アクセスしやすいデスクトップにファイルが増えていってしまうのではないでしょうか。気が付いたら画面一杯にアイコンが散らばっていて、いつかは整理したいと思っていても面倒に感じて先送りし続け、ますます混沌としてゆく……。

デスクトップに無秩序に散らかったファイルたち

 人の目でファイル名や中身を見て、今後の管理もしやすいようにフォルダ分けなどしていく必要があるので、こうした作業は機械的に処理するのが難しいもの。でも、Coworkにお願いすればAIが人間の代わりに判断して整理してもらうことができます。

 使い方は、Claudeアプリのチャット画面で「Cowork」を選び、整理の仕方を簡単に指示するだけです。たとえば「デスクトップ上のファイルを全部日付ごとのフォルダに分類して」や「ファイル形式ごとにフォルダ分けして」、あるいは「内容の似ているもので分類して、ファイル名も内容に合わせてリネームして」のようなプロンプトもOKです。

Coworkを使いたいときは新規チャットでスイッチを「Cowork」に切り替える
どこにあるファイルを、どのように整理したいのかを指示。安全のため「手動で承認」を選択しておく
フォルダ選択が促されるので、デスクトップを指定
結果、きちんとフォルダに分類された
ただ、フォルダが少し多くなってしまったのでさらに整理を指示
最終的にこのようにすっきりまとめてくれた

 ただし、こういったファイル操作を伴う作業ではデータの破損や消失など万が一の事態が発生する可能性がゼロではありません。念のため全体を別フォルダにまとめてバックアップしたうえで実行するのが安全です。

 なお、後で何度も実行したくなるようなCoworkの作業は「ピン留め」しておくか「プロジェクトに追加」しておくのもおすすめ。プロジェクト化すると、ファイル分類の仕方など前提条件をあらかじめ設定しておけるので、プロンプトも「いつものやっておいて」のようにごく簡単な指示で済むので、手間を最小限にすることができます。

「Computer Use」も組み合わせてあらゆる作業を代行

 Coworkでは、スキルやコネクタ(外部サービス連携)なども併用して作業を進めていきますが、もう1つ、このときにセットで使うことがあるのが「コンピュータ使用(Computer Use)」という機能です。

設定画面の「デスクトップアプリ」の「一般」にある「コンピュータ使用を有効にする」をオンに

 たとえば、特定のWebサイトからファイルをダウンロードする際にログインやWebフォームの入力が必要で、そのデータをもとに資料を作成する、といったような手動操作前提のフローでは、Computer Useを利用して適切に作業します。

 基本的にはPC上でアプリの直接操作が必要だとClaudeが判断したときに実行される仕組みで、「Computer Useを使って~」のようにプロンプトで明示的に指示すると使われる場合もあります。

経費精算のための領収書をWebサイトからダウンロードして、指定のファイル名にリネームしてもらう作業を指示したところ

 Webブラウザの操作が必要そうな作業の場合は、あらかじめWebブラウザの拡張機能(Claude in Chrome)をインストールしておきます。ログイン操作のようなセキュリティに関わる部分はユーザー自身の手で行なう必要があるなど注意点もありますが、Coworkの応用幅を広げてくれるツールなのでぜひ有効にしておきましょう。

Claudeのブラウザ拡張機能を事前にインストールしておく