レビュー

AI翻訳でスムーズな会話を演出するスマートグラス「INMO GO 3」

INMO GO 3

 スマートグラスはAI時代にマッチした新たなデバイスとして注目されており、今年はさまざまなメーカーから新製品が発売されている。イノモ日本が販売する「INMO GO 3」(イノモ・ゴー・スリー)もその一つで、他のスマートグラスには無い特徴も備えている。短期間ではあるが同製品をお借りできたので、そのレビューをお届けする。

装着感はまずまず

 まずは肝心のメガネとしての装着感だが、スマートグラスとしては可もなく不可もなく、といった印象だ。

 筆者の場合、Rokid AI GlassesやEven G2も所有しており、必要に応じて使い分けているが、最も装着感が優れていると感じるのはEven G2で、通常のメガネと比べても全く違和感がない。Rokid AI Glassesの場合、カメラなどのモジュールで前方がやや重く、顔から少し離れた位置にレンズが来ることもあり、長時間使用していると、その若干の重たさが違和感として表われてくる。

(左から)Rokid AI Glasses、INMO GO 3、Even G2

 INMO GO 3は、そのちょうど中間といった感じだ。ただ、Rokid AI GlassesやEven G2については矯正レンズを装着した状態での体感で、INMO GO 3は貸出機ということもあり、矯正レンズを装着しておらず、その分の重さが入ってくると、Rokid AI Glassesと大差ない、という状況になるかもしれない。

インサートレンズなしのINMO GO 3の重さは58g。Rokid AI Glassesはインサートレンズ付きで60g、インサートレンズなしで52g、Even G2はインサートレンズ付きで44gだった

 若干気になるのはテンプル部分の締め付けで、これは筆者の頭の大きさが原因になっている可能性もある。こうした装着感の面では、Even G2の自然さが心地よく感じられる。それでも、XREALのARグラスなどと比べれば、遥かに通常のメガネに近い感覚で使えるはずだ。

コミュニケーションに軸足を置いたスマートグラス

 スマートグラスとしての機能を見ていくと、640×480ドットのグリーンディスプレイやマイク、スピーカーが搭載されており、リアルタイム翻訳やAIアシスタント、テレプロンプター、録音、カメラ撮影、ナビゲーションといった形で一通りの機能を備えている。

INMO GO 3のメニュー画面
右側のテンプル下部の2つのボタンと側面のタッチパッドで操作する

 実際に使ってみると、INMO GO 3の場合、Rokid AI GlassesやEven G2といったスマートグラスと比べ、翻訳機能を活用したコミュニケーションにかなり軸足を置いていることが分かる。

アプリのメニュー(Android)

 一般的なスマートグラスの場合、相手が英語や中国語で話している言葉を日本語にリアルタイム翻訳してくれるが、こちらが日本語で発した言葉を相手の言語にして直接伝えることはできず、スマートフォンの画面を見せるなどして一工夫する必要があった。

 しかし、INMO GO 3では別売の「INMO GO 3 ワイヤレススピーカー」(9,900円)を利用することで、こちらの話した言葉を相手の言語に翻訳して音声で伝えることが可能となっており、より自然な形で会話できる。また、翻訳機能は音声通話時にも片方向ながら利用可能で、相手が話している内容を日本語に翻訳して表示してくれる。

INMO GO 3 ワイヤレススピーカー

 会話の内容については、記録を残し、要約する機能も用意されており、その場でメモを取らなくてもいいので、会話に集中できるのがありがたい。

 INMO GO 3にはカメラも搭載されており、これを活用した機能も便利に利用できる。AIアシスタントと組み合わせ、「目の前に映っているものを説明して」と頼めば、その様子をAIが解説してくれる。外国語のレストランのメニューなども翻訳してくれる。

 もちろん、静止画や動画の撮影も可能で、ポケットからスマートフォンを取り出さずに撮影できるのが何気に心地よい。ただ、解像度については800万画素とやや低めな印象は否めない。それでもハンズフリーで撮影できるアクションカメラとして活用できる場面は多いだろう。

INMO GO 3で撮影した写真

今後のアップデートに期待?

 少し気になったのは、本稿執筆時点ではウェイクワードによる起動ができなかったところ。アプリ搭載の初心者ガイドの中には「Amu」または「Xiaomu Xiaomu」と話しかけることで起動できると書かれているほか、AIアシスタントに質問してみると「アムちゃん」と話しかけることで起動できると回答されるのだが、どれも反応しない。

目の前の花についてAIアシスタント(ChatGPT)に教えてもらった

 ちなみに、電池のもちについては、筆者の実利用において、Even G2が2日程度、Rokid AI Glassesが半日程度といった具合だが、INMO GO 3の場合も半日程度+αといった感じだ。前述の通り、ウェイクワードの入力を待ち受けていないことで、Rokid AI Glassesよりも少し電池がもつのかもしれない。

 バッテリーについては着脱式となっており、左側のテンプルの端に装着する形。充電ケースと組み合わせ、このバッテリーユニットを充電済みのものと交換して使い続けられるようになっている。ただ、交換時には一旦電源が落ちるので、都度電源ボタンを押して起動する必要がある。

着脱式のバッテリーと充電ケース

 また、Even G2では「Even Hub」、Rokid AI Glassesでは「エージェントストア」経由でそれぞれサードパーティが開発したアプリ(機能)を利用することが可能になっているが、今のところ、INMO GO 3にはそれに類するものは用意されていない。スマートグラスとしての基本機能の充実はもちろんのことだが、個人的にはこうしたエコシステムの構築にも期待したいところだ。

「INMO GO 3 ワイヤレススピーカー」とのセットがオススメ

 今回は短期間の試用ということもあり、あくまでファーストインプレッションに過ぎないが、コミュニケーションという切り口においては他のスマートグラスを一歩リードしているところがINMO GO 3の価値ということになるだろう。

 価格は99,800円で、Even G2と同等、Rokid AI Glassesより少し安いといった状況だ。矯正用のインサートレンズを使用する場合はさらに数万円の出費が必要となる。

 決して安い買い物ではないが、未来を感じさせてくれるデバイスとしての価値は非常に高い上、ツールとしての実用性も非常に高い。せっかく買うのであれば、他のスマートグラスとの差別化という意味においても、さらに出費はかさむが「INMO GO 3 ワイヤレススピーカー」との組み合わせで活用いただきたい。

ワイヤレススピーカーや操作用のリングが別売で用意されている