日沼諭史の「AI活用入門塾」

今すぐ仕事に使える「AIワークフロー」がたったの3ステップで試せるツール

 今や当たり前の存在になってきたスマホやパソコンで使えるAIツール。まだ本格的に触れたことがない人でも、便利に使いこなすためのヒントをお届けします。

 自分の仕事にAIを活用してみたいけれど、実際の業務は複雑な手順から成り立っていて、そう簡単にAIには置き換えられない、と思っていないでしょうか。

 その複雑な手順を、AIを組み込んだ「ワークフロー」にして自動化するのは実はそんなに難しくありません。簡単にAIワークフローを試せて、実務にもすぐに応用できるサービス「n8n」を紹介しましょう。

フロー図を作成して複数の処理を連携

AIワークフローを簡単に作成できる「n8n」

「n8n」は、目的達成に必要な一連の作業を連続的に行なう「ワークフロー」を、各種AIツールも組み込みながら作成できるサービスです。どんな機能やデータを使い、それをどんなAIがどのように処理するのか、といった作業の中身が整ったフロー図で表現され、視覚的に把握しやすいのが特徴です。

 今や多くの企業がスムーズに業務をこなすためにワークフローツールを活用しています。そのなかの作業において局所的にAIツールを導入しているところもあると思いますが、同サービスはそうしたワークフローのより広い範囲や全体を自動化するのに利用できます。

何をしているのかがわかりやすいフロー図で処理を組み立てていける

 といっても、いきなりゼロから複雑なワークフローを作成するのは難易度が高いでしょう。そこでまず試したいのが、多数用意されているテンプレートです。さまざまなパターンのテンプレートから選び、あとは自分の用途に合うように一部を書き換えるだけで、オリジナルのワークフローが完成します。

 初めて利用する場合はユーザー登録が必要ですが、その後は「テンプレートの選択→テンプレートの取り込み→ワークフローの実行」というたったの3ステップで試せます。登録してから最初の14日間はサービス利用料がかからず、AI機能を使うのに必要なAPI料金もお試し用に一定量が付与されるので気軽に始められるはずです。

自社サイトの改善点を指摘してもらうワークフローを試す

 ここでは例として「指定したWebページの中身をAIにチェックしてもらい、改善点を指摘してもらうワークフロー」のテンプレートを選んでみました。ユーザー側ではあらかじめAIサービスのAPI呼び出しに関わる部分を設定する必要がありますが、先ほど説明した通り一定量は無料で、すぐに使用準備が整います。

Webページの改善点を指摘してもらうワークフローのテンプレート。「Use for free」をクリック
続いて「Get started free with n8n cloud」をクリック
テンプレートが取り込まれた。警告マークが出ている「OpenAI Chat Model」をダブルクリック
「Claim credits」をクリックすると100クレジットが付与される
Credentialで「n8n free OpenAI API credits」を選択

 準備ができたら早速実行してみましょう。最初にWebサイトを指定するダイアログが現れるので、自社サイトなどチェックしてほしいURLを入力します。するとAIによる分析がスタートし、少し待てば結果が出力されます。

 今回の例ではJSONなどのデータ形式で出力され、しかも英文になるため、そのままでは扱いにくいかもしれません。JSON全体をコピーしてAIチャットに貼り付け、「日本語にしてわかりやすく整形して」のようにお願いすると良いでしょう。

「Execute workflow」でワークフローを実行
チェックしてほしいURLを入力
少し待つと処理が完了。「AI Agent」をダブルクリック
「Output」の「JSON」にしてコピー
AIチャットに貼り付けて翻訳と整形を指示。この指摘をもとにWebページの改善へ

用途に合わせてカスタマイズすれば自分専用ワークフローに

 これらのテンプレートはあくまでもベースとなるもので、自分たちの業務に合わせてカスタマイズしていくことが前提です。たとえば先ほど書いたような「翻訳して整形する」ことが毎回必要なら、ワークフローに処理を1つ追加すればOK。

 複数ページを一度にレビューして欲しいなら、URLのリストを渡すように改造したり、ページ内のリンクをたどって再帰的に処理してもらうようにしたり、結果をスプレッドシートにまとめるようにしたり、といったカスタマイズも考えられます。

「1つ1つ人力で管理している社内手続きを自動化したい」、あるいは「ワークフローは整備したものの手を動かす部分も多くて有効に機能していない」みたいな状況にあるなら、このようなAIワークフローツールを検討してみてはいかがでしょうか。