日沼諭史の「AI活用入門塾」

意外ととっつきやすい「MCP」、タスク管理から試してみて!

 今や当たり前の存在になってきたスマホやパソコンで使えるAIツール。まだ本格的に触れたことがない人でも、便利に使いこなすためのヒントをお届けします。

 AIツールが外部のサービスと連携できるようにする「MCP」。よく聞くワードだけれどなんだか難しそう……と思っている人もいるかもしれません。でも、実際には身近な業務用ツールで気軽に活用できたりします。今回はタスク管理の「Trello」を例に、MCPの活用方法を紹介しましょう。

気が付かないうちに使っているかもしれないMCP

「MCP(Model Context Protocol)」がどういうものか、というのは本誌「AI用語の基礎知識」で紹介しているのでそちらをチェックしてみてください。簡単に説明すると、ChatGPTやClaudeのようなAIツールと、外部のサービスとの間でデータをやり取りする際のルールを定めたもの(間を橋渡しするもの)がMCPです。

・AI用語の基礎知識【第18回】「MCP」とは―AIと外部データをつなぐ“共通ルール”
https://ai.watch.impress.co.jp/docs/serial/glossary/2131831.html

 このMCP(やそれに近い仕組み)は、ユーザーが気付かないうちに自然と使っていることがあります。たとえばAIチャットで「新着メールを確認して」とか「カレンダーの予定をチェックして」と指示することがあると思います。

 この時、外部サービスのメールやカレンダーの中身を取得してチャット内で表示するのに、実はMCP(的な仕組み)が用いられていることがあります。AIチャットでいつも通りの作業をしているだけで自然とMCPを使っている、という可能性があるわけです。

AIツールとMCP、外部サービスの関係図

 ただ、それだとMCPの本当の便利さを実感しにくいところ。なので、「もっとMCPで連携している感覚」が得られる使い方として最初におすすめしたいのが、タスク管理ツールのTrelloと連携する、というものです。

Trelloのボード・タスク作成を半自動化

 ここでは例としてClaudeのデスクトップアプリを使い、TrelloとのMCP連携でタスクを作成してみたいと思います。

 そのために、あらかじめClaudeアプリでMCP(コネクタ)の連携設定を行ないます。すでにTrelloを使っているのであれば特に面倒なところはありません。下記の手順で連携の許可をするだけです。

Claudeの設定画面で「コネクタ」を選択
検索欄で「trello」と入力し、表示されるTrelloの「+」ボタンをクリック
ログイン後、MCPで扱う権限を設定して「承諾」で準備OK

 なお、MCPにはサーバーで提供されているものと、プログラムファイルの形で提供されているものの大きく2つに分かれます。今回のTrelloは前者で、しかもClaude独自のUIで簡単に登録し、使い始められるようになっています。

続いてプロンプト入力へ

 最初に説明した通り、MCPはAIツールと外部サービスを連携するための仕組みです。つまり、ClaudeアプリからMCPを通じてTrelloのいろいろな機能を使える、ということ。

 たとえばClaudeのチャットに「Trelloのワークスペース“AI Watch”に“ローカルAI勉強会”のボードを作って」と入力してみます。そうするとTrelloのワークスペース内にボードが自動で作られます。

 さらに「社内でのローカルAI勉強会の準備に必要なリストとタスクを作って」とすれば、そのボードにリストとタスクが追加されます。ClaudeのFableやOpusの頭脳を活かして、Trelloを操ることができるのです。

指示するとTrelloと連携してボードを作成
新しいボードが追加された
さらにリストとタスクを作るように指示すると、ボード内にリストとタスクがずらり

ツールを問わず、無料でも高度な自動化が可能に

 もしMCPを使わずにClaudeにTrelloのボード作成の方法などを相談した場合は、その手順が提示され、ユーザー自身の手でTrelloを操作していく通常の使い方になるでしょう。もしくは、Claudeが代わりにPCを操作するComputer Useの機能で自動化するかもしれませんが、あまり効率的ではありません。

 MCPはオープンな規格で、ClaudeだけでなくChatGPTも対応。ローカルAI用のLM Studioから利用すればサブスク費用なしで高度な自動化も可能です。普段使っているツールがMCPに対応しているかどうかチェックして、一歩進んだ自動化にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。