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AIが拓くニュータウン再生、ハッピーローソンタウン伏尾台に見る官民共創
2026年10月29日 18:04
少子高齢化が進む郊外ニュータウンの持続可能性をいかに確保するか。大阪府池田市伏尾台において、行政と民間企業がタッグを組んでマチの再創生を目指す「ハッピーローソンタウン伏尾台」が注目を集めている。
これまでのコンビニエンスストアの枠を超え、AIを活用した発注システム「AI.CO」の導入や、ドローン、遠隔アバター技術を活用した生活支援・行政サービスの代替など、先端テクノロジーを地域インフラへ融け込ませる挑戦が進行中だ。
本稿では、KDDI SUMMIT 2026での講演直後の大阪府池田市 都市整備部都市政策課・課長の橋本直岐氏、ローソン 執行役員 近畿カンパニー プレジデントの鷲頭裕子氏、KDDI 執行役員 パーソナルグロース事業本部長の村元伸弥氏の3名に直撃。
現場で進むAI活用のリアルな現在地から地域共創がもたらすスマートシティの未来像まで、ざっくばらんに語り合ってもらった。
――KDDIとして、アバターやドローン、AI技術をこの伏尾台の拠点でどのように活用し、地域課題の解決につなげようとしているのでしょうか。
村元氏:今すでに提供しているリモート接客プラットフォームやアバターの技術は、労働力不足の解決に直結すると考えています。人間だと稼働時間が限られますが、アバターと遠隔操作を組み合わせれば24時間365日のサポートが可能になりますから、ここを突き詰めていきたいですね。平面ディスプレイに話しかけることの心理的ハードルが存在するなら、どういう形であればそのハードルを取り除けるかを、さまざまな手段を用いて実証を繰り返し、社会インフラとして広げていきたいと思います。
また、ドローンもただ飛ばすだけでは単なるコストですが、日々上空から見守ることでドローンでしか得られない貴重なデータが蓄積されます。さらに将来的には、自動運転などの地域モビリティとAIを組み合わせて、持続可能な社会基盤を池田市さんと一緒に実装していきたいですね。
――実店舗のバックヤード運営において、ローソンでは具体的にどのようなAI活用が進んでいるのでしょうか。
鷲頭氏:ハッピーローソンタウンに限らず、ローソン全体で展開している「AI.CO(アイコ)」というAI発注システムがあります。過去の実績データや未来予測をもとに、店舗にとって最も利益が出る最適な推奨仕入れ数を時間帯ごとに算出し、加盟店オーナーに提案する仕組みです。これまで店長やオーナーの勘や経験に頼っていた発注を、AIがデータ分析で手厚くサポートしてくれます。さらにフードロス削減の面でも、1日数回、AIが「この商品をいくらで値引いて売り切るべきか」を算出して値引きシールを発行し、クルーが貼って売り切るというところまでAIが伴走しています。
――同じハッピーローソンタウンでも、伏尾台のような戸建て住宅エリアと日野高幡台のような集合住宅エリアでは、AI配送ロボットやドローンの社会実装においてどのような違いやハードルがあるのでしょうか。
村元氏:一番の違いは規制の有無ですね。団地のような敷地内であれば、区切られたエリアの中で自動配送ロボットなどを動かしやすいのですが、一般的な戸建て住宅街のオープンな公道になると、許可などの問題でハードルが一気に上がります。環境ごとにできることとできないことが明確に分かれるのが現状です。
橋本氏:ドローンに関しても同様ですね。現行のルールでは住宅の真上を自由に飛ばすことはできないため、現在は住宅のない周辺エリアに航路を限定して飛行実証を行なっていただいている状況です。
――自治体の立場として、役所の窓口業務の省力化や住民サービスの向上に向けた「AIサポーター」の活用展望をどう描いていますか。
橋本氏:伏尾台から池田市役所までは距離があるため、地域住民の方がわざわざ市役所まで来なくても、また職員が現地に出向かなくても、コンビニの拠点で手続きや相談が完結できる仕組みを目指しています。現在もコンビニのマルチコピー機で住民票などの取得はできますが、どうしても対面窓口が必要な複雑な手続きがまだたくさんあります。
UI(ユーザーインターフェイス)などの課題をクリアしつつ、アバターやAIを介して画面越しに書類を見せ合いながら相談・解決できる仕組みを整え、限られた人員の中で持続可能な住民サービスを提供していきたいと考えています。
――生鮮食品の販売や防災訓練への参画など、先端技術を地域に定着させるための住民との共創についてはどう感じていますか。
鷲頭氏:通常のコンビニでは生鮮食品はあまり売れないのですが、伏尾台ではトップクラスの売れ行きでお店を支える強力なマグネットになっています。週末には地域の方が「自分で作った野菜を持ってくるよ」と顔の見える地場野菜を並べていただき、私たちもセルフレジで買えるようにバーコードを貼り付けたりと、アナログとデジタルの融合も生まれています。
――地域の皆さんが集まる公民館のような役割も担っているようにも見えますが、そうなると集まってお酒を飲みたい、みたいな要望も出てきそうです。
鷲頭氏:本来は店内での飲酒はお断りさせていただいていますが、例えばハロウィン限定のような特別企画としてイートインスペースでお酒も楽しめるようなイベントを実施するなど、地域の方々と対話しながら店舗を進化させていこうと考えています。
橋本氏:民間企業の方々がこれほど地域に深く入り込んでくださることは本当に心強いです。ローソン本部の担当者さまが毎週のように足を運んで住民と顔馴染みになってくださったり、KDDIさまが地域の防災訓練にドローンを飛ばして協力してくださったりと、テクノロジーありきではなく地域コミュニティの一員として動いていただいているからこそ、住民の理解や新しいビジネスの好循環が生まれるのだと実感しています。
――ありがとうございました。これからの展開にも期待しています。








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