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AMDのAI戦略、競合他社の環境からの移行コストを下げることを最重要視
2026年7月1日 14:50
日本AMDは7月1日、AMD InstinctやROCmに関するメディアラウンドテーブルを開催し、コマーシャル営業本部 セールスエンジニアリング担当マネージャーの大原久樹氏が最新の動向を説明した。
大原氏は、同社のAI戦略として、「TCO(総所有コスト)の低さだけでなく、(NVIDIAなどの)競合他社の環境からの移行に伴うコストや手間を下げることを最重要視している」と語る。
また、ハードウェアではOCP準拠のラックに対応したり、Ultra Ethernetなどの標準化に積極的に関与したりしているほか、ソフトウェアの面でも完全オープンソースの開発環境としてROCmを提供しつつ、Hugging Face、PyTorchなどの主要パートナーと直接協業し、常に最新のAIモデルが最適に動作する体制を構築するといった形で、オープン性にもこだわって開発コミュニティとの連携を強化しているという。
アクセラレーター(GPU)となるInstinctについては、現在はMI350シリーズを提供中で、I/Oダイの上に計算用チップを重ねる高度な3次元積層技術を採用し、演算密度を向上させており、AI推論で主流の低精度演算(FP4、FP6)に対応し、前世代(MI300X)比で約3倍の推論・学習性能を実現している。
あわせて、そのPCIe版と言える「MI350P」を提供することで、既存のサーバーやワークステーションの空きスロットに導入しやすくするとともに、コストパフォーマンス良くローカルでの推論環境を構築可能できるようにしている。
2026年中にリリース予定のMI400シリーズでは、新しい命令セット「CDNA 5」や、次世代広帯域メモリ「HBM4」を採用し、前世代から計算性能で約4倍、メモリ容量で1.5倍へとさらなる飛躍を予定しているとする。
一方、ソフトウェアプラットフォームとなるROCmについては、PyTorchなどの標準的なフレームワークで書かれたコードであれば、ほぼ変更なしでROCm上に持ってくることができるレベルまでソフトウェア環境が成熟しており、Hugging Face上の約220万モデルでの動作も検証済みだという。
昨年リリースされたROCm 7では、1つのGPUでは処理できないような巨大モデルを動かすための「分散推論」や、計算の性質が異なる処理を分ける「プレフィルとデコードの分離(PD Disaggregation)」など、実運用とマネタイズを見据えた機能を本格実装。ユーザーが手動で複雑なチューニングを行なわずに最適な計算カーネルを自動選択し、推論スピードを最大化する仕組みとして「AITER」も提供している。
今回のラウンドテーブルでは主にパフォーマンスやコストに関連する話題を中心にプレゼンテーションが行なわれたが、データセンターにおいては電力消費やそれに伴う熱処理なども課題になっている。
この点を大原氏に質問してみたところ、「MI355Xについては1つのGPUで1500Wで、水冷モデルも空冷モデルも用意させていただき、どう製品化されるかはOEMさん次第。GPUは消費電力よりも、とにかく高い性能を必要とされているお客さまの方が多い印象で、どれだけ上げても許されるものではないとは思うが、現行の半導体の製造技術、GPUサーバーの冷却技術の上限で開発は進められている」とのことだった。






































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