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メガネ産地・鯖江発のスマートグラス「jig.jp SABERA」

jig.jp SABERA

 jig.jpは4月17日、Cellid、ボストンクラブと共同開発したスマートグラス「jig.jp SABERA(サベラ)」を発表した。価格は92,400円。20日からMakuake経由で販売され、7月以降に順次発送される予定。Makuake上では早期割引も数量限定で行なわれ、フルセットが70,990円などとなっている。

 SABERAは、「日常に溶け込むAR」をコンセプトに開発された日本発のスマートグラスのブランド。jig.jpがソフトウェア開発・UX設計、CellidがAR光学技術、ボストンクラブがデザイン・装着性という役割分担で開発されている。

 jig.jpはメガネの産地として知られる福井県鯖江市に本社を構えており、長年培われてきたかけ心地や軽さ、日常へのなじみやすさといったポイントを押さえながら、従来のスマートグラスとは一線を画す商品として企画したという。

 スマートグラスとしては、原稿表示、通知表示、リアルタイム翻訳、文字起こし、ナビゲーション、AIアシスタント(Gemini)といった機能を搭載。重さは40gで、640×480ドット、最大1500nitsのGreen Micro LED Waveguides(右単眼)、マイク、タッチセンサーを装備している。バッテリー容量は100mAhで、常時稼働で約8時間、標準稼働で約12時間の利用が可能とされている。スマートフォン(iOS/Android)とBluetooth接続して利用する。

 17日に都内で開催された発表会には、jig.jp 代表取締役社長CEOの川股将氏、ボストンクラブ 代表取締役の小松原一身氏、Cellid 代表取締役CEOの白神賢氏が登壇し、製品の特徴や開発の背景などが語られた。

(左から)jig.jp 代表取締役社長CEOの川股将氏、ボストンクラブ 代表取締役の小松原一身氏、Cellid 代表取締役CEOの白神賢氏

 川股氏は、SABERAというブランド名について、「鯖江とともに新たな時代(Era)を作るといった思いでSabae×Eraとブランドを定義した」と紹介。開発のきっかけについては、「国内で唯一の光学技術(プラスチックレンズへの光学投影技術)を持つCellidと昨年出会ったこと。それからすぐに参入を検討し、1か月後にはプロジェクトが立ち上がった」と振り返る。

 同氏によれば、「国内には一般消費者向けのARグラスの提供メーカーが未だ不在であるということから、ソフトウェア開発企業の我々としては極めて異例なことかもしれないが、企画、開発、販売まで一気通貫で行なう形での参入を決断した。これは当社だけでは当然難しく、卓越した工学技術を持つCellid、それから鯖江を代表するメガネメーカーであるボストンクラブ、そして当社がこれまで培ってきたソフトウェア開発力、これらを掛け合わせることで初めて実現に至った」という。

 同氏はこれまでスマートグラスが普及しなかった理由として、「重さやデザインなどの点でかけ続けることが難しいという課題があった」と指摘しつつ、SABERAについては「その課題を解決したデバイス」とアピール。世界的なメガネ産地の鯖江のノウハウを活用していることが強みになると語った。

 デバイスとしては、カメラやスピーカーは非搭載となっている。カメラについては「日常の中でカメラの存在によって心理的にかけづらい場面が生まれてしまうことを防ぎ、できるだけ自然に長くかけ続けていただきたい」、スピーカーについては「軽量性の実現、1日中装着しても疲れない快適なかけ心地を目指した」と、その理由を説明する。

 また、ディスプレイについても単眼となっており、この点については「重量、バッテリー、製造コストのバランスを現時点において考慮し、両眼ではなく単眼とし、ARディスプレイを片目で見てもらう体験を優先したい」と説明。

 ただし、これらは第1弾の開発時点での商品設計で、秋口以降に進めていくとしている第2弾では見直される可能性がある。

充電用の接点
タッチコントローラーは右側に搭載

 小松原氏によれば、メガネとしてのデザインや設計の面でこだわったのは「ファッション化」「かけ心地」「視力矯正」の3つ。ファッション化については、「おしゃれでかっこよくは当たり前。ウェリントン型で、かけたときに違和感のないデザインに仕上げた」、かけ心地については「フロント、テンプル(つる)、テンプルエンドの比重を考え、前にずれたりしないようにし、テンプルのバネ性も工夫し、自然なかけ心地を目指した」という。

 視力矯正用のレンズについては、グラスの内側に装着する形になっており、脱着するためには特殊なノウハウが必要になるため、眼鏡店と連携しながら快適なフィッティングをサポートしていくとしている。

 SABERA上で動作するアプリケーションについては、現状ではプリセットのものに限定される。川股氏は「第1弾となる今回のモデルでは、まずは我々自身が厳選した本当に日常やビジネスで使える機能を、最高のUIとUXで提供することに集中した。市場にハードウェアがある程度普及し、ユーザーの皆さまがスマートメガネという新しいインターフェイスに慣れていただいたフェーズで、開発者向けのSDK(ソフトウェア開発キット)の公開や、配信プラットフォームの展開といった次のステップへ進めていきたい」としている。