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Even Realitiesを創業したWill Wang氏が語るAIスマートグラスの明日

2026年4月8日 取材
Even Realitiesの創業者/CEOのWill Wang氏

 AIスマートグラス「Even G2」の製造・販売を手掛けるEven Realitiesの創業者でCEOのWill Wang氏が来日し、Web3やAIをテーマにしたイベント「TEAMZ SUMMIT」に登壇し、同製品で実現するライフスタイルや世界観を語った。

 同氏はAIやEven G2のようなデバイスの進化により「GUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェイス)に縛られる必要はなくなる。もし機械があなたの話していることを理解できるなら、キーボードを叩いてノートPCの画面を見つめる必要はない。それこそが私たちがEven G2を通じて全く新しい体験を構築している理由だ」と語る。

 その上で「同時にスマートリングも発売する。ヘルスケアのモニターでもあるが、スマートグラスのコントローラーでもある。指にはめてダブルタップすれば、目の前にダッシュボードが表示され、リアルタイム翻訳をしたり、テレプロンプターを使ったり、メモを取ったり、エージェントを使ったりできる」と紹介。

Even G2(スマートグラス)とEven R1(スマートリング)

 競合他社のスマートグラスにはカメラが搭載されている場合もあるが、同社ではプライバシーに配慮し、あえてカメラを省略。内蔵バッテリーによる動作時間を稼ぎつつ、軽量で自然な装着感を目指したという。

 同社では、「Even Hub」と呼ばれるEven G2用のアプリ配信プラットフォームを先週立ち上げたが、これについて同氏は「単なるハードウェアではなく、人々がその上に構築するための次のインターフェイスになり得ると本気で考え、これをプラットフォームへと拡張できるかどうかを試みている。だからこそ、開発者が自分自身のプロジェクトを試すための独自のマーケットプレイスを立ち上げた」と説明する。

Even G2用のアプリの配信プラットフォームとなる「Even Hub」

 Even Hubにはすでに数千人の開発者が参加し、さまざまなアプリを開発しているとのことで、「AIの登場で起こったことの一つは、何かを構築するための障壁が非常に低くなっているということ。何かを作りたいのであれば、グラスはまさにうってつけの手段。自然言語ベースで、複雑なGUIも不要なので、携帯電話やノートPCで構築するよりもはるかに簡単」と指摘する。

 実際、Even Hubで配信されているアプリを見ると、シンプルなグリーンディスプレイ上での表現ということもあり、F501iのような初期のiモード端末を操作しているかのような懐かしさも感じられる。

 同氏によれば、Even Hubではすでに数十種類のアプリが提供されており、さらに何百ものアプリが承認を待っている状態だという。F501iの時代との大きな違いは、実用性の高いエージェンティックAIが活用できるところにあり、同氏は「私自身、オフィスのMac miniでOpenClawエージェントを動かしており、それを今もグラスに接続している。何か急ぎの話があればグラスに知らせてくれるし、短いコマンドを出すこともでき、本当に便利」と語る。

OpenClawのエージェントをEven G2から操作

 同氏が最後にアピールしたのは、今後、数週間以内にリリースを検討しているという「コーディングターミナル」。グラス上でCodexやClaude Codeのようなターミナルを動かすというもので、「私たちはデスクから離れても開発を継続できたらどうだろう? という声に耳を傾け、これを実現できるようにした。今、あなたの恋人があなたがずっと机にかじりついて開発ばかりしていることに不満を持っているかもしれないが、これがあれば、恋人と一緒に映画に行きながら、グラスを使ってターミナルを開いて開発を続けることができる」とユーモアを交えて語っていた。

数週間以内にリリースを検討しているという「コーディングターミナル」