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Slack、チャンネル内で同僚のように動く「Slackbot in Channels」発表

音声会話や動画生成など新機能を追加

Dreamforceの展示会場で配布されていたSlackbotの人形、名前はそのままSlackbot。Slackの中にこのSlackbotが表示されており、ChatGPTやClaudeのように相談したり、作業を依頼したりできる

 Salesforceに2021年に買収された後は子会社として運営されているSlack Technologies(以下、同社が提供するサービスも併せてSlack)は、Salesforceが9月15日からサンフランシスコ市内の会場で開催した年次イベント「Dreamforce」において、Slackの新機能などを発表した。

 今回(およびDreamforceの直前に)Slackが発表したのは、「Slackbot in Channels」、「Slackbot Two-Way Voice」、「Slackbot Video & Slide Generation」、「Slack Code」などで、いずれもSlackユーザーの生産性向上に寄与する新機能になる。

1対1のSlackbotから、1対多に進化する「Slackbot in Channels」

Slackbot in Channelsのデモ画面、Slackbotが人間の同僚と並んで表示されていることがわかる

 Dreamforceにかけての1か月程度の間にSlackは多数の新機能を発表している。その中でも注目されるのが「Slackbot in Channels」、「Slackbot Two-Way Voice」などのSlackbotの機能拡張だ。

 Slackbotというのは、Slackに用意されているAIチャットボットのことで、誤解を恐れずに言えばOpenAIの「ChatGPT」、Anthropicの「Claude」、Microsoftの「Copilot」などに相当するものだと考えるとわかりやすい。Slackを使っていて使い方に困ったら、Slackbotを呼び出してプロンプトに質問を投げるなどのChatGPTやClaudeなどに近い使い方ができる。

Slackソフトウエア・エンジニアリング担当副社長のロッド・グラシア氏

 Slackのソフトウエア・エンジニアリング担当副社長を務めるロッド・グラシア氏は「SlackbotはSlackの創業当初からの目標であるパーソナルアシスタントの実現を目指した中核コンポーネントだ。Slackは知識の集約ポイントという位置づけを目指してきたが、今ようやく技術が追いつきSlackbotが、もともとSlackが目指してきたパーソナルアシスタントを実現している」と述べ、Slackが創業当初から目指してきたところの1つの到達点がSlackbotなのだと表現した。

Slackbot in Channelsの機能紹介
Slackbot in Channelsのデモ。このようにSlackbotがチャンネルの中でチームメンバーと同じように発言をしたりする

 今回発表されたSlackbot in Channelsは「従来のSlackbotは1対1で使うシングルプレイヤーの体験だった。Slackbot in Channelsはそれを1対多というチャンネル内のマルチプレイヤー体験を実現し、ユーザーの仕事を進める場であるチャンネルにSlackbotがついて行くという設計思想だ」とのべ、組織内のメンバーと、あるいは組織外のメンバーとやりとりをしているチャンネルの中のメンバーの一人としてSlackbotがいるという考え方だと説明した。

 このため、チャンネルの中で誰かほかのチームメンバーに聞くかのように、「@Slackbot」を指名することで、スライドの作成をお願いしたらスライドを作成してくれるし、資料を探してきてほしいとお願いすると資料を探してきてくれる。そのように、Slackbotがまるでチームメンバーの一員として活躍してくれ、チャンネル内メンバーのさまざまなアシストをしてくれるのがSlackbot in Channelsになる。

 Slackによれば、Slackbot in Channelsは現在アーリーβが展開されており今後順次ユーザーに展開されていく計画だとのことだった。

音声でチームメイトと会話するかのようにSlackbotとのやりとりを行なえるSlackbot Two-Way Voice

Slackbot Two-Way Voiceの機能紹介

 Slackbot Two-Way Voiceは、Slackbotと同僚と会話するようにさまざまな機能に指示を出す機能。従来のAIチャットボットでも音声認識の機能を利用して指示を音声で出すことはできていたが、人間の声をプロンプトに変えて答えるというものであり、会話とまではなっていなかった。

 グラシア氏は「キーボード入力がしづらい移動中や片手がふさがっている時でも、音声でアイデアを話したり、顧客ブリーフィングを聞いたりできるというユースケースを想定している」と述べ、移動中などに携帯電話で友人に通話するようにSlackbotに語りかけて何かをやってもらうような処理を想定していると説明した。

 実際、Dreamforceで行なわれたSlackbot Two-Way Voiceのデモでは同僚と話をしているかのような雰囲気で、音声で双方向のやりとりをするという機能で、まだまだ初期段階であるが将来のテンポのよい会話でのやりとり実現のための第一歩と感じた。

Slackbot Video & Slide Generation
Slackbot Video & Slide Generationのデモ

 また、Slackbot Video & Slide Generationでは、動画やスライドの自動生成が可能で製品のデモやキャンペーンのための動画やスライドをSlackbotが生成してくれる。こうした動画やスライド生成は、従来は静止画などから動画を作り音楽を入れて……ということを人間がやっていたが、今後は製品の開発を行なっているチャンネルなどでSlackbotにお願いするだけで作ってもらえるのでほかのツールを別途用意する必要がなくなる。

 なお、Slackbot Two-Way VoiceやSlackbot Video & Slide Generationは今年の末までに投入される予定だ。

ソフトウエア企業におけるソフトウエアの開発プロセスの加速を実現するSlack Code

Slack Code

 Slack上でソフトウエアのコード開発を行なうことができるSlack Codeは8月に発表された機能だが、Dreamforceでも再び紹介が行なわれている。すでにソフトウエアのコーディング(プログラムの設計図に相当する文字列のこと)は、人間が行なう作業からエージェント型AI/AIエージェントが行なう作業へと移行が進んでいる。

 従来はシステムエンジニアと呼ばれるエンジニアがこんな動作をするソフトウエアだということが書かれている「仕様書」を書き、それを元にコードを書くプログラマーが「コード」を書きプログラムを作成し、そのコードにより作られたソフトウエアがきちんと動作するかを検証する「デバッグ」を行なうという手順を経てソフトウエアとして世の中に提供していく……そういう手順でソフトウエアが作られてきた。しかし、すでにコードはAnthropicのClaude Code、OpenAIのCodexといったAIエージェントが手順書をもとにして書いていくようになっており、デバッグもそうしたAIエージェントにより行なわれている。

Slack Codeのデモ

 Slack Codeでは、そうしたコード開発を、AIを含めたチームで行なうことができるようになる。1つのチャンネルに、PM(Product Manager)、開発エンジニア、そしてAnthropicやOpenAIのコーディングAIエージェントとやりとりをしながらソフトウエアの開発を進めていくことが可能になる。例えば、開発中にバグが発見されたら、PMからエンジニアにそのことが共有されると、コーディングAIエージェントに指示が出され、AIエージェントがコードを検証してバグを解消する……そうしたサイクルが何度も繰り返されながらソフトウエア開発が進んでいくのだという。これによりコード開発の期間短縮などが実現可能で、新しいソフトウエアの投入サイクルが早くなる。

 最近、AIソフトウエアが短期間でバージョンアップされることに驚かされているユーザーも少なくないと思うが、その背景にはこうしたAIエージェントや、Slack Codeのような人間とAIエージェントが協力して開発するような開発環境ができあがりつつあることが影響しているのだ。

 Slack CodeはすでにGA(General Availability、一般提供開始)になっており、AnthropicやOpenAIなどのコーディングAIエージェントでSlack Codeに対応しているプランを契約している場合などに利用することができる。