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AIが変えるゲーム開発の未来、東京ゲームショウ2026レポート

AIテクノロジーパビリオンなどをレポート

 9月17日、東京ゲームショウ2026が開幕した。幕張メッセのホール1からホール11までの全てを使用し今年も大規模に展開。17日と18日はビジネスデイで、基本的には関係者のみ入場でき、19日より21日まで一般公開日となっている。

 今年は、ビジネスデイのみAIテクノロジーパビリオンが設置されており、ゲームメーカーを中心にAIを使用した制作環境などをアピールしていた。この取材の中でツールメーカーにゲーム業界でのAIの使用について聞いてみると、「正直、日本は遅れている。AIの導入に関しては検証期間などで留まっている。米国や韓国のほうが進んでいて、AIを使用して効率を追求している」といった声が聞かれた。もちろん、これが総意とは思えないし、一概に良し悪しは判断できないが、傾向の1つとしてこういった声があるのも事実。

 そんな中ブースには、いろいろな情報検証を行なったりクリエイターをサポートするツールにAIを利用したものが用意されており、単純にグラフィックスを生成するためのツールにとどまらないものがほとんど。実際会場には多くのゲーム関係者が来場しており、熱心に質問をぶつけている人も見受けられた。

 今後制作環境には確実にAIを利用したツールが入り込んでくるのは確実で、その時には効率化なども重要な要素だが、クリエイターがいかに制作しやすくなるか、イメージを実現しやすくなるかが大きな要素となりそうだ。

 本稿では、AIテクノロジーパビリオンと関連しそうな付近のビジネスソリューションコーナーのブースを紹介する。

グラフィックスから3Dモデルを生成「Meshy.ai」ブース

 AIテクノロジーパビリオンの向かい側のビジネスソリューションコーナーに出展していた「Meshy.ai」ブース。グラフィックスから3Dモデルを作成し、ボーンを入れることで3Dで動作させるところまでを実現。これまでこういった作業は、もちろん詳しい3Dの専門知識が必要だったが、Meshy.aiではAIを利用することでプロンプトから自然言語で作成することが可能となった。

 グラフィックデザイナーが2Dで作成した絵を簡単に3Dグラフィックスに変換し、動作させるところまで可能なほか、例えばMeshy.aiで生成した3Dモデルをデータとして出力し、Mayaなどに読み込ませ、微調整を行なうことも可能となっている。

 ゲーム業界だけにとどまらず映像業界まで、様々な用途で使えそうだが、専門学校の授業などで、先生が利用する用途も増えているという。

制作過程をナレッジ化、Adobe Firefly Creative Productionなど

 AIとの関連を積極的に進めているAdobeは、「Substance 3D」をはじめ、「Fireflyボード」など様々なツール群を積極的にアピール。

 AdobeのAIモデルのみならず、Gemini 3(Nano Banana Pro)やGPT Image、Luna AIなど各社AIと連携しており、組織として使用しているAIモデルを使用することも可能。

 また、AdobeのAI化を含め進めている中に、社内の個人の作業のナレッジ化がある。いわゆる作業工程のナレッジ化で、アイディアから制作、アウトプットまでこれまで個人で閉じていた作業過程の情報を蓄積し、チーム間で共有可能なワークフローとして再利用可能とする。AIを利用しナレッジを蓄積していく。

 現状ではワークフローにとどまっているが、同社によれば、次の過程ではAIが外部ツールと連携し、より細かな作業までも行なえるようにしていく予定だという。

ソーシャルゲームの運用を細かく検証するThinkingAI

 ソーシャルゲームなどでは、ゲームそのものの開発も重要だが、運営もまた重要な要素となっている。アップデートやイベント、キャンペーンなどで得られる膨大なユーザーデータを分析する際、これまでは細かな設定が必要で、それなりの工数を必要としてきた。

 今回出展していたThinkingAIではAIを使用し、これらのデータをプロンプトから自然言語でAIに分析させるシステムを出展していた。例えばゲーム会社が運営の中で蓄積したプレーヤーのデータをもとに、これまで休眠していたプレーヤーがどれくらいの期間休眠していて、それらの人にどれだけアイテムをプレゼントすることで、どれだけゲームに呼び戻せるかなどを分析し、プレーヤーにどれだけアピール(告知)するかなどを、AIとプロンプトから自然言語で対話することで分析しレポート化できるのだという。

 さらに問い合わせ内容から、AIが社内の関連データを横断して自動でたどり、原因候補を提示するといったことも可能となっている。

 ちなみにユーザーデータは最高の機密情報だが、オンプレミス自社ホスト型であるため、データは社外に出ることはなく会社の環境内にとどまっている。

IPアドレスを分析するGeolocation Technology

 ソーシャルゲームの運営などでは日々様々なデータと格闘しているかと思うが、Geolocation Technologyではインターネット上の全てのIPv4、IPv6をカバーするIPアドレスと位置情報や企業情報など様々な情報を紐づけたデータベース「SURFPOINT」を持っており、同社の提供するMCPを利用することで、AIからSURFPOINTのデータとゲーム会社が自社データを連結し、不正検知、BOT対策などを行なうことができる。

 プレイログをもとにログイン元IPの地域、回線、現地時間、接続元組織などから、検証することができる。

ローカルで動作するAIキャラクター、Studio51のミライア・リンクス

 Studio51は、Gemma 3で動作するAIデスクトップキャラクター「ミライア・リンクス」を出展。ミライア・リンクスは大阪・関西万博の大阪ヘルスケアパビリオンでも出展されていたもの。

 ユーザーの音声をリアルタイムに解析し、AIによる応答生成と音声出力を行なう。クラウド型だと、通信環境やネットワークの状況によりやり取りにラグが発生する可能性もあるが、ローカルのGemma 3で動作が完結するため、ミライア・リンクスと自然なやり取りを楽しめる。

 Studio51ではAIデスクトップキャラクター「ミライア・リンクス」を推しており、Steamからダウンロードして楽しむことができるが、取材したところ「他の企業さんが、自社キャラクターに置き換えリリースしてもらえるソリューションとしても展開していく」と意欲を見せていた。