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みずほとNEC、新たなAIエージェント認証基盤「KYA」の共同実証実験

 みずほフィナンシャルグループ(以下、グループを総称し〈みずほ〉)と日本電気(以下、NEC)は、AIエージェントが自律的に金融サービスを利用する「Agentic Finance」時代の到来を見据え、DID/VCの技術を用いた新たなAIエージェント認証基盤「KYA」(Know Your Agent)の構築に向けた共同実証実験を6月から開始する。

共同実証実験の背景と目的

「Agentic Finance」時代においては、従来の「KYC」(Know Your Customer、本人確認)に加え、顧客の代理となるAIエージェントの身元や権限を正確に把握・検証する「KYA」の導入が不可欠。そのため金融機関は、AIエージェントの「認証」「同意」「委任」「監査」という4つの必須要素を検証する必要がある。

 本実証実験は、「DID」(分散型ID)、「VC」(検証可能なクレデンシャル)の技術を用いて、これらを確実に検証できる仕組みを構築し、AIエージェントによる安全・安心な金融サービスの利用を実現することを目的としている。

要素検証内容
認証DID/VC技術によるAIエージェントの真正性確認
デジタルウォレットを用いた本人確認
同意顧客がAIエージェントへの委任に同意していることの検証
委任委任された権限範囲内でのみ実行可能であることの担保
監査AIエージェントの実行内容の事後追跡
検証可能な証跡確保

共同実証実験の概要

 今回の共同実証実験では、NECのDID/VC技術を活用し、AIエージェント認証基盤を〈みずほ〉とNECが共同で構築。顧客のAIエージェントが〈みずほ〉でのAI開発の共通基盤である「Wiz Base」上で稼働するAIエージェントに代理アクセスし、金融サービスを利用するシナリオにおいて技術検証を行なう。

 顧客のAIエージェントの一意識別子としてDIDを活用し、権限やポリシーの改ざん耐性のあるVCとして発行。顧客のAIエージェント登録からVC発行、アクセス要求、KYA検証、金融サービス提供に至る一連のフローを実装し、AIエージェントが金融サービス利用における「特定ユーザーの正当な代理」であることを暗号学的に証明する技術検証となる。

共同実証実験における両社の役割

 共同実証実験は両社それぞれの強みを融合させた役割分担で推進される。

役割
〈みずほ〉金融機関としての高度なノウハウを活かし、KYAの要件定義やユースケース設計を主導するとともに、金融サービスを代理実行するAIエージェントの実装と銀行システム検証環境を提供。
NECDID/VC基盤技術の提供をはじめとする全体的な技術設計および実装を行い、セキュアで信頼性の高い認証基盤の開発を担当。

 なお、金融機関特有の要件を反映したKYAスキーマ設計や、金融サービスを代理実行するAIエージェントと銀行システム間の認証フロー設計については、両社共同で推進する。

今後の展望

 共同実証実験を通じて技術検証完了後、KYAを活用したAIエージェントによる金融サービスの代理実行を商用で活用するための実用性の検証を行なう。将来的には、金融業界全体で活用可能なAIエージェント認証の共通インフラを構築するとともに、グローバルスタンダードとの整合や規制当局との対話による制度整備を進める。

 これにより、金融機関に求められるセキュリティを確保しつつ、日本の金融機関がグローバルな市場において活躍できる環境を整え、新たな金融イノベーションの創出を目指す。