日沼諭史の「AI活用入門塾」

ChatGPTの新機能「dots」、どんな使い方ができる?

 今や当たり前の存在になってきたスマホやパソコンで使えるAIツール。まだ本格的に触れたことがない人でも、便利に使いこなすためのヒントをお届けします。

 9月末、ChatGPTに「dots」という機能が追加されました。現在のところPro 100(月額16,800円)以上のプランで提供されている機能のため、利用のハードルは高いですが、どんな風に使えるのか、簡単に紹介したいと思います。

チャットは使い放題、クラウドコンピューターもある

「dots」は、ChatGPTに追加された新しいAIエージェント機能です。多数用意されているキャラ(dot)のなかから自分の好きな見た目のものを選んで「相棒」にし、それとやり取りしながら作業を進めていけます。以前から存在している「ペット」もキャラとして選択可能です。

好きなキャラを選ぶことができる

 dotとはチャットで会話したり、dotを介してクラウドのコンピューターやデスクトップアプリを動かしているユーザーのパソコンを操作したりできます。

 現在のところ、dotとのチャットでは追加の費用がかかることも、サブスクリプションの利用枠(トークン)を消費することもないとしています。ただし、dotがコーディングのためにCodexを使ったり、クラウドやデスクトップでアプリを動かしたりする(ChatGPT Workを使う)場合に、利用枠を消費することがあります。

クラウドコンピューターとユーザーのパソコンを操作可能

 同時に動かせるdotは1つだけ。何かをdotに指示して一連の処理を行なっている間は、他の作業は基本的にできない仕組みです。それでも、チャットは使い放題、音声会話もできてWeb上での調べものなどをエージェンティックに長時間こなせて、専用のクラウドコンピューターも付いてくる、ということで、さまざまな応用が考えられそうです。

本当に対処すべきメールや予定を教えてくれる

 仕事ではどのような場面で活躍してくれるでしょうか。dotsは4000を超えるアプリ・サービスと連携できるとしていて、GmailなどのGoogleサービスもそれに含まれるので、この連携が一番わかりやすいかもしれません。

Googleサービスと連携して使ってみる

 Googleサービスと連携した場合、dotは自律的にバックグラウンドでメールやカレンダーなどをチェックし、ユーザーの「役に立つ」情報を提供します。たとえばユーザーが対応すべきとメールの存在を知らせて確認を促す、などです。

 ここでのポイントは、単に「未返信のメールを検知してユーザーに伝える」わけではないことです。未返信のメールのなかでも、ユーザーが本当に対処すべきものかどうかを的確に判断して伝えてくれるので、実際に「うっかり忘れていた」ものに気付けます。

本当に対処が必要なメールのみ的確に教えてくれる

 また、仕事相手とメールでやり取りした予定の日時・場所と、カレンダーに登録しているその予定の日時・場所に微妙な違いがあった場合に、齟齬があるので注意すべき旨まで教えてくれたりもします。これまでChatGPTで作業してきた内容や、ユーザーの趣味嗜好、プロフィールなどを元に、相談に的確に応じてくれるのも便利なところです。

ユーザーが眠っている間に自律的に大量の作業をこなす

 専用のクラウドコンピューターを使えるようになったことで、スマホやパソコンの電源をオフにしていてもdotの作業が止まることはありません。退勤前や就寝前に長時間かかる作業を依頼して、翌朝その報告を受ける、といったようなことも可能です。

東京駅付近の翌日の天候を予測して、3D CGアニメーションを作成してもらう作業の最中

 試しに、翌日の東京駅付近の天候を独自に予測して、朝から夜までの風景の見え方を3Dアニメーションで再現してもらう作業を指示してみました。翌朝確認すると、トータルで4時間半ほどかけて必要な気象データ、風景のテクスチャデータなどを集め、3D CGツールのBlenderでモデリング、レンダリングしたうえで動画出力するところまで完遂していました。

朝までに作業を終えていた
できあがった東京駅周辺のモデリングデータ
レンダリング後の動画

 こうした3D CG作成に限らず、dotsはオフィス文書の作成ももちろん可能なので、会議に向けた下調べからスライド出力まで、資料作成に関わる一連のタスクも自ら判断してやり遂げることができます。「明日持って行く資料の準備を忘れていた!」なんてピンチも回避できるのではないでしょうか。