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京セラ、AIデータセンターや半導体製造を支える最新技術を説明

今後は次世代光通信や基板埋め込みコンデンサーに注力

京セラの光通信用セラミックパッケージ・基板

 京セラは8月24日、先端半導体やAIデータセンター関連の同社製品に関する説明会を開催した。

 生成AIの普及に伴い、AIデータセンターおよび先端半導体市場が急激な拡大を見せていることから、同社ではAI領域を今後の重要な成長領域の1つと位置づけており、半導体製造装置向けのファインセラミックス部品から、光通信用セラミックパッケージ、積層セラミックコンデンサー(MLCC)などの電子部品に至るまで、幅広い製品展開によってAIインフラの進化を支えていく方針。

 半導体製造装置を支えるファインセラミックス部品について登壇したファインセラミック事業本部の篠塚淳氏は、AIやデータセンターの急拡大が半導体市場を力強く牽引しており、2026年には同市場が200兆円を超えると見込まれている現状を説明。近年は微細化に加えて、異なる機能を持つチップを組み合わせるチップレットや3次元積層化といった“More than Moore”の技術革新が進んでおり、製造プロセスはかつてないほど複雑かつ高度化していると指摘する。

ファインセラミック事業本部の篠塚淳氏

 その上でナノメートルレベルの極めて厳しい重ね合わせ精度や、多様なプラズマガス、幅広いプロセス温度といった過酷な条件に対応するためには、温度変化による寸法変化を極限まで抑える低膨張性や軽量性、高い剛性を持つファインセラミックスの存在が不可欠であると強調。京セラは、独自の材料ラインナップと高度な積層・精密加工技術を武器に、露光や成膜工程向け部品に注力するとの方向性を示した。

 同氏は、次世代静電チャックへの参入によるシェア拡大を拡大戦略の柱に掲げ、半導体製造装置市場の成長率を上回るペースでの事業拡大を目指すと語った。

 続いて、AIデータセンターの高速大容量通信を支える光通信用セラミックパッケージについて、半導体部品セラミック材料事業本部の辻野真広氏が説明を行なった。

半導体部品セラミック材料事業本部の辻野真広氏

 AIクラスターの巨大化に伴い、データセンター内ではGPUサーバー間の通信が急増しており、その接続を担う光トランシーバーの能力がAIインフラの競争力を左右する状況になっていると指摘。京セラは、電気損失を極限まで抑える独自の高周波フィードスルーパッケージ技術などを強みに、光通信ネットワークの全領域に製品を展開し、トータルシェア1位を獲得しているという。

 今後は従来の光電変換領域での実績に加え、光と半導体の融合であるCPOや、電気に変換せずに光のまま繋ぐ全光スイッチ領域への事業拡大を進める方針。これにより、AIクラスターの巨大化に伴う消費電力の削減といった業界全体の課題解決に貢献していくとしている。

 電子部品分野においては、電子部品事業本部の大鈴英之氏と石島豪氏が、AIデータセンターやサーバーに使用されるMLCCおよびポリマータンタルコンデンサーの戦略について語った。

電子部品事業本部 コンデンサ事業部の大鈴英之氏
電子部品事業本部 KAVX事業部の石島豪氏

 データセンターの進化に伴う消費電力の増大や伝送損失、スペースの圧迫といった課題を解決するため、京セラは小型かつ高容量な製品の開発に注力している。MLCCについては、2025年3月~2031年3月期にかけて生産設備などに約1000億円を投資し、主力工場である鹿児島 霧島工場国分ブロックの拡張を行なう計画を紹介。技術面では、電力供給経路を短縮するための基板埋め込み要求に応え、均一な端子電極と高い寸法精度を持つ独自の高容量密度埋め込みMLCCをアピールした。

 また、SSD向けに需要が拡大しているポリマータンタルコンデンサーに関しては、従来のアルミ電解コンデンサーの課題であった高さを克服すべく、下面電極構造を採用した小型・低背・高容量の製品群を展開し、タイの工場などで生産体制を強化していく方針が示された。

 京セラは、半導体を作る工程から、完成した半導体が実際に稼働するAIデータセンターに至るまで、多岐にわたるコンポーネントを供給している。同社が長年培ってきたセラミックス技術と高周波技術、そして精密な電子部品群は、これからのAI社会の基盤を構築する上で不可欠な要素になるとアピールしている。