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NEC、梅雨明け後に急増する119番通報の緊急度をAIで判定支援

 梅雨明け後は熱中症の問い合わせなどで119番通報の急増が懸念されるが、NECは指令員の作業負荷を軽減するための技術として、通報の聞き取りと項目入力、緊急度の判定を同時に進行するシステムを開発中。

 119番通報を受けると、すぐに救急車を出すべきか? 応急手当を指導すべきか? 安静にして様子を見てもらうか? など事案の緊急度を判定しなければならない。この判断を「呼吸困難」、「動悸」、「意識障害」など20以上の症状から判断するのが「緊急度判定プロトコル」という手順。客観的な判定が期待される一方、通報が集中すると指令員の負担も増える。

横浜市消防局の緊急度・重症度識別プロトコルの入力画面イメージ

 NECが開発した「AI入力支援システム」は、指令員の画面操作をサポートする。119番通報の音声をリアルタイムでテキスト化する音声解析AIと、年齢・性別・症状などの患者の情報を抽出する構造化AIを組み合わせ、指令員の応対と同時進行でシステムが解析を進めていく。

 病歴など専門用語を音声解析AIで正しく変換できない問題点に関しては、同社が開発した音声認識エンジンを採用したほか、数百時間分の119番通報を学習させることで精度の向上を図った。この技術は「119番通報のクラウド型音声認識サービス」として、先行して2024年から提供が開始されており、全国20以上の消防局で利用が開始されている。

消防専用にチューニングした音声認識エンジンによるテキストの変換例

 また、生成AIなどを活用し患者情報について独自の構造化を行なっている。119番通報時は、人によって情報を伝える順序が異なる上に、内容がまとまっていない時もある。今回のシステムでは、患者の緊急性を判断するのに必要な情報を自動的に抽出、構造化AIにより整理してくれる。

 指令員は通報者との対話に集中でき、必要に応じて表示内容のデータを修正するだけで済むため、作業負担が減少すると期待される。現在、横浜市消防局の協力の元、実証が進められており、実用化に向けた取り組みが進行している。

緊急度判定を支援するシステムのプロトタイプ(グレー部分)の概略