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COMPUTEXで感じたPCを再定義するRTX Sparkの魅力と課題
2026年6月4日 14:44
COMPUTEX TAIPEI 2026における最大のトピックは、Windows PCを高性能なAIマシンにアップグレードするチップ「NVIDIA RTX Spark」の登場だ。実際に搭載PCが登場するのは秋以降となるが、展示会場では第1陣として販売される製品が紹介されていた。
NVIDIAでは、128GBのメモリーを搭載し、手元でOpenClawなどのエージェンティックAIを動かせるGB10搭載のデスクトップマシン「DGX Spark」を販売しており、ASUSやDellなどのメーカーからもOEM製品が販売されているが、それらはLinuxベースで動いており、使いこなすにはそれなりのスキルが求められる状況だった。
これに対し、RTX SparkはWindowsを動かすことを前提にNVIDIAがMediaTekに製造を委託して提供されるARMベースのチップとなっており、これを採用するメーカー各社からはデスクトップPCに加え、ノートPCやワークステーションも販売されることになる。
DGX Sparkが主に開発者や研究者をターゲットにしていたのに対し、RTX Sparkはそれを広く一般に普及させることを目的にしており、これに伴ってエージェンティックAIの普及も加速していくと見られる。
ただ、期待は大きいが、実際に市場に定着していくかどうかは、製品の販売価格がどの程度になるのかに依存している。現状、DGX Sparkやその互換機は80万円~100万円といったレンジで販売されており、決して普及価格帯にあるとは言い難い。MediaTekやメーカー各社とのコラボレーションにより、どれだけ価格を下げられるかがポイントになってくるだろう。
また、持ち運ぶ前提のノートPC型の製品については、消費電力をいかに抑えるかも鍵になってくる。
チャット形式でお題を与えると、その実現に向けてひたすら試行錯誤を繰り返すのがOpenClawのようなエージェンティックAIの振る舞いとなるが、内容によっては作業の完了にかなりの時間を要することになる。DGX Sparkのようなデスクトップマシンであれば、常に電力が供給されている状態なので、ユーザーが寝ていようが何しようが働き続けてくれる。
しかし、ノートPCとなるとバッテリーという制約の下で動かすケースも多くなり、実際にどの程度バッテリーがもつのかが気になってくる。GTC TaipeiではMicrosoftがRTX Sparkを搭載したSurfaceの開発バージョンのデモを行なっており、担当者にバッテリーライフを聞いてみたが、「まだまだ開発中で、できるだけ長く使えるようにしたい」と言葉を濁すだけで、明確な回答は得られなかった。
同イベントのQ&AカンファレンスでNVIDIA CEOのジェンスン・フアン氏が「エージェンティックAIは、人間よりもはるかにせっかちであり、秒単位ではなくナノ秒単位の超高速で動作する」と語ったように、人間の場合は何も操作せずにただ画面を眺めているアイドルタイムも多く、ディスプレイがもっともバッテリーを消費するデバイスだったかもしれないが、エージェンティックAIは熱心に動き続けるため、CPUやGPUといったコンピューティングのより本質的な部分でバッテリーを消費することになるだろう。
そして、ユーザー自身が操作せず、パタンと閉じたノートPCがバッグのなかにある状態でも前述のようにエージェンティックAIには働いていてもらいたい。この点は常時起動が基本となるスマートフォンのようなデバイスの設計思想が生きてくるはずだが、はたしてその状態での発熱がどうなるのかについても気になってくる。
もっとも、こうした心配事は今秋に予定されている発売時点で解消されているかもしれない。
逆に言えば、DGX Sparkのように、家やオフィスに置いておいて、別のノートPCやスマートフォンからリモートアクセスして使用するといったスタイルであれば、電源について心配する必要はなく、思う存分そのパフォーマンスを活用できるだろう。
さらに想像力を膨らますと、電源とネットワークさえ確保できればPCの形である必然性はなく、例えば、ルーターやNAS、テレビ、レコーダー、ゲーム機といった家電製品であったり、ノートPCより遥かに大きなバッテリーを搭載した自動車だったり、RTX Sparkが収まる可能性がある場所はかなり多く、来年はそんな話も出てくるかも、と感じたCOMPUTEX TAIPEIだった。










































