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富士フイルムビジネスイノベーション、AIのR&D拠点をみなとみらいに構築

(左から)ビジネスソリューション事業本部 コアテクノロジーラボ 所長 兼 CTO戦略室 AICoE長の安藤正登氏、取締役 常務執行役員・CTO CTO戦略室長の鍋田敏之氏、総務部 横浜みなとみらいセンター センター長の矢部明彦氏

 富士フイルムビジネスイノベーションは5月20日、同社のAI技術ブランドを「REiLI Business(レイリ ビジネス)」に設定するとともに、R&D拠点となる横浜みなとみらい事業所をリニューアルしたことを発表した。

 取締役 常務執行役員・CTO CTO戦略室長の鍋田敏之氏は、「イノベーションは、インベンションとインプリメンテーション、つまり発明とそれを実際のイノベーションに持っていくための環境づくり、実装づくり。その場があって初めてイノベーションが生まれる」と語り、REiLI Businessにおける技術開発の中核を担うコアテクノロジーラボを紹介した。

AI技術ブランドを「REiLI Business(レイリ ビジネス)」に設定

 ビジネスソリューション事業本部 コアテクノロジーラボ 所長 兼 CTO戦略室 AICoE長の安藤正登氏は、「研究して終わりではなく、きちんと商品にAIを実装していくところがポイントになる」と語った上で、「我々のAIは単に汎用型のAIを売るわけではなく、さまざまな企業の情報、ナレッジ、業務フローと向き合ってきた歴史がある。そういった背景がAIの土台になり、その上にAIを乗せていく」と同社ならではのAIの形を説明した。

 安藤氏は、「帳票であったり、図面であったり、企業の中に眠る情報を知の構造化をして、AIにつけていく。我々はAI技術で事業をリデザインすることを目指している。AIは形式がバラバラな非構造化データを読めないが、ここを利活用できるように構造化していく」と具体的なソリューションの方向性を示す。

 REiLI Businessブランドを立ち上げるにあたり、安藤氏が必要不可欠になると感じたのは、自身がベンチャー企業へのレンタル移籍を通じて体感した、ベンチャー企業ならではのスピード感。新しいアイデアの技術開発を進める場合、大企業では上司にアポイントを取ってプレゼンし、関係する隣の部署の上司にアポイントを取ってプレゼンするといった形で、社内のコンセンサスを得るために数週間かかることもあるが、ベンチャー企業では、朝イチで周囲に意見を求めると夕方にはリリースされる。

 そこで同社では横浜みなとみらい事業所内に「REiLI Business Hub」を開設。東京ミッドタウンや海老名に分散していた拠点を集約し、開発から実装までを一体化することで、ベンチャー企業的なスピード感を目指すことにしたという。

 完全なフリーアドレスではなく、プロジェクトごとに島を設け、10人程度のスモールチームを構成しつつ、他のプロジェクトの担当者や各事業の担当者とディスカッションを自然に生み出すような空間設計とすることで、アジャイル開発を進めやすくしている。

 総務部 横浜みなとみらいセンター センター長の矢部明彦氏によれば、こうしたオフィス改革は開発現場の声を聞きながら2024年から検討を進めてきたという。同事業所には約5800名の従業員が勤務しているが、各R&D部門の専門性にあわせた働き方を検証するため、パイロットオフィスを作り、7か月にわたり、5週間ずつ入れ替える形で約4000名を対象にしたオフィスのPoC(仮説検証)を実施してきた。

 REiLI Business Hubは、そのパイロットオフィスを設けていた2フロアに設置されており、2027年中にはこのオフィス形態を全館に展開していく。

 安藤氏によれば、REiLI Business HubにおいてもAIエージェントを活用したAIドリブン開発に積極的に取り組んでいるが、「いろんな種類のものが出てきているので、味見しながら、プロジェクトごとにトライしている」とのことだ。