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「日本企業の暗黙知/社内データ AI-Ready化プロジェクト」発足、大手16社が集結

ストックマーク 代表取締役CEOの林達氏(前列中央右)、経済産業省 大臣官房審議官(商務情報政策局担当)の奥家敏和氏(前列中央左)ほか、参画企業の代表者

 ストックマークは5月14日、日本の生成AI関連の開発力を強化を目指して経済産業省・NEDOが主導するGENIACの第4期の取り組みとして、「日本企業の暗黙知/社内データ AI-Ready化プロジェクト」の発足すると発表した。

 今回のプロジェクトには、味の素、伊藤忠商事、NGK、神戸製鋼所、ジェイテクト、スズキ、住友化学、太陽誘電、帝人、東京電力ホールディングス、日揮ホールディングス、三井住友銀行、三菱ケミカル、ヤンマーホールディングス、ライオン、LIXILといった各業界をリードする大手企業16社が参画。

各業界のリーディングカンパニー16社が参画

 AI業界では、テキストや音声・映像といったデータを学習させる取り組みが進められているが、早期に学習用のデータが枯渇する可能性も指摘されている。一方で、各企業が抱える機密性の高い秘匿データや図面、さまざまな活動記録、熟練者ならではのノウハウや暗黙知といった知識の多くは構造化されておらず、こうした知識をAIで活用できるようにしつつ(AI-Ready化)、現場で役立つように実装していくのが今回のプロジェクトの目的とされている。

 こうした学習や実装を現実のものにするには、機密データが外に漏れないようにするガードレールを設けることも必要となっており、公開できる領域と公開できない領域を整理することが前提となるため、参画する各社ではそうした切り分けにも取り組んでいく。

 プロジェクトとしては、10月頃まで半年ほどかけてスピーディーにPoC(Proof of Concept:概念実証)を実施し、11月頃をめどに成果発表会を開催する予定。全体の取りまとめ役となるストックマーク 代表取締役CEOの林達氏によれば、開示できるノウハウについてはホワイトペーパーのような形で公開するほか、構造化に用いるツール類なども公開していくとのことで、日本全体の生成AIの活用の底上げに貢献していきたいとしている。

 14日に都内で開催された発表会には、経済産業省 大臣官房審議官(商務情報政策局担当)の奥家敏和氏も出席し、「AIは確率論。生データではない。(学習するデータが無くなると)確率論で出してきたデータを使って、確率論のモデルを組みにいく。これ以上レベル上がっていかないし、さらにフィジカルの領域のものなど、非構造化データは手に入らない。これらは意味付けをしたり、適切な単位に切ること自体が、現場の人たちのノウハウがないとできない。データを使える状態にすること自体が暗黙知そのものになってしまう」と指摘。

 同氏は、こうした情報を取り扱う米国企業のパランティア・テクノロジーズを例に挙げ、「日本の中にもこの領域のスタートアップがようやく出てきた。ここを集中的に狙った政策を打つことがAI政策の肝になる」として、米国と中国がリードするAIの世界において日本が存在感を示すには、暗黙知のAI-Ready化が鍵になると語っていた。