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GPUよりも高速で高効率なRebellionsのNPU、ai&のAI DCに導入されAI推論性能を大幅に引き上げ
2026年9月30日 16:22
韓国の半導体スタートアップRebellions(リベリオンズ)は、9月30日に東京都内で記者会見を開催し、同社の主力製品であるNPU(Neural Processing Unit)となる「Rebel100」を、AIデータセンターのスタートアップ企業である「ai&」(エーアイアンド)が大規模に採用することを決定したことを明らかにした。
AIの処理と言えば一般的にGPU(Graphics Processing Unit)を利用してというイメージが強いと思うが、実は複数のプロセッサーが利用されている。AIを実現する演算処理には、学習(AIモデルがデータを読み込んで賢くなるプロセス)や推論(完成したAIモデルを利用して一般消費者や企業などにAIサービスを提供すること)、さらには最近のエージェント型AIのようにハーネス(手綱)と呼ばれる複数のAIを束ねて実行などがあり、GPUだけでなく、NPUやCPU(Central Processing Unit)など複数の種類のプロセッサーが利用されている。
RebellionsのNPUはAI推論に特化したプロセッサーでGPUと同じ性能を実現しながらより少ない消費電力やコストで動作することが可能。それが日本に設置されるai&のAIデータセンターに導入される形になる。
AI推論時代には、GPUだけでなくNPUなどさまざまな演算装置が利用される時代になる
RebellionsのCBO(最高事業責任者)を務めるマーシャル・チョイ氏は「Rebellionsは6年前に創業されたスタートアップで、NPUやそのNPUをラックに入れた製品、さらにはそれらをデータセンター規模で提供するなどしている。弊社のスローガンは“独自フォークを作らない”で、独自のソフトウェアをたくさん作ってそれによりベンダーロックインしたりすることがないようにしている。弊社のソフトウェアソリューションは、100%オープンソースに基づいている」と述べ、RebellionsがAI推論に特化したNPUを提供し、かつ利用企業のソフトウェア開発者の利便性を図るため、そのNPUを利用するソフトウェアは、AIソフトウェア開発の現場で一般的に使われているオープンソース(ソフトウェアの設計図にあたるソースコードが公開されている形のソフトウェア。利用者は一定の条件下で自由に改変して自分のソフトウェアに利用することができる)のソフトウェアになっていると強調した。
ユーザーが利用しているAIアプリケーション(例えばAnthropic Claude、Google Gemini、Microsoft Copilot、OpenAI ChatGPTなどなど)は、クラウドと総称されるインターネットの向こう側に設置されているサーバーに接続して、推論と呼ばれる処理を行ないながら動作している。そうしたAI処理専用サーバーが置かれている施設のことを「AIデータセンター」と呼んでいる。
そのAIデータセンターに格納されているが、推論などの演算を高速に行なうAI用プロセッサーになる。AI用のプロセッサーというと、一般的にはNVIDIAが提供するGPUが有名だが、学習向けにはGPUが圧倒的だが、推論ではGPU以外になる異種類のプロセッサーを採用する動きが広がっている。Rebellionsが提供するNPUもその1つで、同社はRebel100というNPUを顧客に提供している。
同社が公開しているスペックによれば、Rebel100は1チップの性能が2048TFLOPS(FP8利用時)で、メモリは144GB(HBM3e)で、チップレベルで最大600Wとなっており、冷却は水冷方式が必須ではなく、空冷方式でもギリギリ対応できるレベルだという。このため、AIデータセンターではなく水冷の冷却方式に対応していない日本の既設データセンターに格納することも可能。
その性能は「OpenAI GPT-OSS 120BというオープンソースのAIモデルで、NVIDIA GPU(筆者注:H200)の2倍の性能を実現する。価格あたりの消費電力での性能をみると、こちらも約2倍になっている。つまり価格あたりの性能比では4倍になる」(チョイ氏)と、現在日本のAIデータセンターで導入が進んでいるNVIDIA H200に比べると性能では2倍、価格性能比では4倍だと説明した。
チョイ氏によれば、RebellionsはこうしたNPUを、チップ単体だけでなく、チップを32基1つにまとめてラックにした形(RebelRack)、ラックを8基以上接続したポッド(RebelPod)、さらにはデータセンター全体といったさまざまな形状で提供していると説明した。
RebellionsのNPUラックを100台超導入するai&、日本でのデータ主権を重視したAIデータセンターの演算性能を強化
そうしたRebellionsだが、日本で初めて大規模に同社製品を導入する顧客として、3月に設立されたばかりのAIデータセンターを運営するスタートアップ企業ai&が100台超のラック(RebelRack)を導入する契約をしたことを明らかにした。
□ai&、日本のAI力を高めることを目的に創業
https://ai.watch.impress.co.jp/docs/news/2096277.html
ai&は今年の3月に設立されたことが明らかにされたAIデータセンターをフルスタック(ハードウェアだけでなくソフトウェアなども含めて提供すること)で提供するスタートアップ企業。共同創業者でCEOのデビッド・ベネット氏は、日本AMDやレノボ・ジャパン/NECパーソナルコンピューターの社長を務めるなどの知日派で、日本語の著書を発売するほど日本の文化や言葉などに精通している人物だ。レノボ・ジャパンの社長を退任した後は、米国の半導体メーカー「Tenstorrent」のCCO(最高顧客責任者)に就任し、その後ai&を創業した。
Rebellionsの会見に登壇したベネット氏は「これまでAIの演算と言うと、学習向けが注目されてきた。しかし、今やAIは実利用の段階に入っており、これからは推論が増えていくと考えて、ai&を創業した。日本のAIのため、必要な演算リソースとソフトウェア環境をフルスタックで提供していくのが弊社の役割だ」と述べ、そうした創業の目的を実現するために、日本各地にデータセンターを建設し、ソフトウェア提供環境の確立などにこの6か月取り組んできたと説明した。
ベネット氏によれば、すでに大阪の2か所、東京の1か所の合計3つのAIデータセンターが稼働しており、まもなく東京にもう1つのデータセンターが稼働する予定だという。そうしたデータセンターは、ソブリン(データ主権)と呼ばれる、データの管理権やデータそのものの所在を日本国内に留める設計になっており、日本の顧客が日本の法律に従ってサービスを運用することができる。
そこには、NVIDIAのGPU、AMDのGPU、TenstorrentのCPUと、種類の異なるプロセッサーを揃えており、顧客が目的に応じて最適なプロセッサーを選んで利用できる体制を整えているという。今回のRebellionsのNPU導入もそうした戦略の延長線上にあるもので、提供できるプロセッサーの種類を増やすことで、顧客の選択肢を増やし、同時にai&の演算リソースの強化を実現することが狙いだ。
両社によれば、今回ai&に提供されるRebelRack には、1つのラックには32基のNPUが格納されており、ラック1つあたりの演算性能は64PFLOPS(FP8利用時)となる。この性能を持つラック100台超がai&のAIデータセンター5拠点に格納される形になり、その電力容量は40MWになる。これにより、同社のAI推論時の処理能力は大幅に引き上げられることになる。
ベネット氏によればこうしたラックは同社が東京に開設しているAIデータセンターにまず格納され、その第1弾は10月から11月に納入が開始される計画とのことだ。













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