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レノボ・ISGトップが語るAI時代のエンタープライズ・ソリューション

インフラストラクチャー・ソリューションズ・グループ(ISG)プレジデントのアシュリー・ゴラクプルワラ氏

 レノボ・ジャパンは7月28日、インフラストラクチャー・ソリューションズ・グループ(ISG)プレジデントのアシュリー・ゴラクプルワラ氏によるメディアラウンドテーブルを開催した。

 同氏は冒頭、「Smarter AI for all」というレノボのビジョンを紹介。スマートフォンのようなデバイスからクラウドに至るまでを一貫して提供できる唯一の企業である点が、同社最大の強みだと語った。消費者向けのPCやワークステーションへの移行にとどまらず、最大のハイパースケール顧客に至るまで、あらゆる顧客のAIジャーニーをサポートする体制を整えているとする。

 直近の通年業績では、831億ドルという過去最高の売上高を記録。この成長は、デバイス全体や、中国、南北アメリカ、EMEA(ヨーロッパ・中東・アフリカ)といった世界各地での好調を反映したもので、同氏は「ISGは変革の渦中にあり、全社の成長の柱として位置づけられている」と語る。

 AIへの投資は、主に2つのアプローチで進められている。1つ目は、AI対応デバイスやソフトウェアを顧客やパートナーへ提供すること。2つ目は、財務、人事、製造、開発など、レノボ社内のあらゆる機能においてAIを活用することで、自社のAIの未来に対しても継続的な投資を行なっているという。

 レノボのインフラストラクチャー事業のルーツは、約10年前のIBMからのSystem x買収にある。この10年間で、レノボの製造スケールを活用しながら研究開発を強化し、水冷技術やAIを活用した省電力化技術を市場に投入してきた。メインフレームの開発に始まり、ハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)、スーパーコンピューティングを経て、現在のAIへと進化を遂げているわけだ。

 エンタープライズAIの展開においては、単なるPCテクノロジー・プロバイダーにとどまらず、モデル開発者からの視点や、パラメータの規模拡大、ユーザーがプロンプトを入力して回答を得るチャット型の実装から本番環境への導入に至るまで、多くの知見を有しているとのことで、エージェンティックAI向けの対応も進めている。

 AIが急速に進展する一方、市場では需要に対して供給が追いついていない状況が発生しているとする同氏は、AI導入に関する議論は、IT部門にとどまらず、人事部門や企業全体を巻き込んだものへと変化したと指摘。具体的には、データの所在、所有権、データの取得方法や保護手法が問われており、大企業は自社の独自データが他社のAIモデルに学習され、競合他社に利用されてしまうことを強く懸念しており、分散コンピューティングにおいてどのように価値を見出すかを模索しているとする。

 その上で、AIの価値の源泉は、データ、ソフトウェア、サービスにあり、AI市場は2030年までに1兆ドル規模へと成長すると予測され、現在の2倍の規模になる巨大な機会がレノボに開かれているとの展望を示すとともに、日本市場においては「私たちが水冷技術や電力効率の能力を向上させなければいけない」と自社に課された役割を語り、プレゼンテーションを締めくくった。

 その後の質疑応答で、「AI推論の導入はまだ初期段階にある」と語ったゴラクプルワラ氏は、「モデル開発に取り組んでいるのは、数は少ないものの非常に規模の大きい顧客層であり、彼らは異なるワークロードやコンピューティングの課題を抱えている」と指摘した。

 エージェンティックAIの進化については、セキュリティなどの課題に対処しながら普及が進んでおり、将来的には、製造、小売、スポーツといった特定の分野ごとにエージェントが台頭していくと予想。

 また、AIインフラの導入を検討する企業においては、GPUの数にとどまらず、冷却能力や環境面への配慮が、パフォーマンスや信頼性と並んで重要な議論の対象となっているとする。

 苛烈なシェア争いについては、「AIを取り巻く状況は6か月前と今とで全く異なっており、自らが挑戦者であると同時に、パートナーに対しても挑戦していくマインドセットが求められている」と語っていた。