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GPUとフィジカルAIの最新動向が分かる「ASK Enterprise AI Conference 2026」
GB300搭載のDGX Stationの実機も日本初公開
2026年4月28日 11:12
アスクは4月24日、秋葉原UDXで「ASK Enterprise AI Conference 2026」を開催した。法人を対象にGPUとフィジカルAIの最新動向を公開するイベントで、3月に米国で開催されたGTC 2026の報告やフィジカルAI開発などに関するセミナーと実際のソリューションの展示が行なわれた。ここでは、その中から特に興味深かったセミナーの内容と展示ブースの様子を紹介する。
日本はAIにおいて2週遅れだが、巻き返すための優位点もある
セミナー会場ではまず、代表取締役の武藤和彦氏が登壇し、以下のように挨拶した。
「本日のテーマは、AIの力で日本を豊かにするというものだ。私たちは、今注目されている最先端のフィジカルAIビジネスを通じて、皆さまと共に日本経済を発展させていきたい。今年の弊社のスローガンは進化と強化であり、これはまさにNVIDIAの今の状況だ。進化と強化を徹底して行ない、AIの技術によって日本のビジネスを強みに変えていくことが私たちの果たす使命だと思っている」
最初のセッションは、営業本部事業開発部の森山栄作氏と、NVIDIAのエンタープライズマーケティング部門の田中秀明氏によるGTC 2026の報告。GTC 2026は、3月16日~19日にかけてサンノゼとバーチャルで開催された、NVIDIAが主催する世界最高峰のAIカンファレスである。
まず、森山氏がGTC 2026に参加した全般的な感想を次のように語った。
「あくまで私見だが、日本のAIは1周遅れではなくて2周遅れていると思う。いろいろなトピックがあったが、とくに気になったのは、CEOのジェンスン・ファン氏が2025年~2027年にかけて最低でも1兆ドルの収益が見込まれるとか、過去数年でコンピューティング需要が100万倍増加したと言っていたことだ。その後のロードマップの予告として、Feynman世代の予告もしていた。それから、パートナーの裾野が広く、世界中のメーカーと協力しているという、その輪がすごいと思った。それから、NVIDIAは『製品』ではなく『AIファクトリーという完成形』を売るフェーズに入ったと感じた。AIファクトリーとは新しいインフラ概念であり、何かAIを『使う』場所ではなく、AIを生産する工場である。重要なことはは、『誰が作るか?』ではなく、もう利用しないとやっていけないということである」
続いて、森山氏はGTC 2026のポイントについて次のように説明した。
「3点ポイントがあり、1つ目のポイントは『学習から推論へ』ということだ。2025年まではAIの主戦場は学習でわり、高精度なモデルを作るとか、どれだけ大きなモデルを作るかといったことをPoCとして検証していたが、GTC 2026からは、AIはもう24時間385時間稼動し続けるものであり、コストの概念も変わる。何億円もかけてGPUサーバーを導入したというよりも、推論で問われるのは、コストやレイテンシ-であり、モデルよりもシステム全体、PoCをたくさんやるより、さっさと本番から始めようということだ。
2つ目のポイントは、エージェントAIである。エージェントAIはもはや概念ではなく、使うことが前提となった。その中で出てきたのが、OpenClawという考え方で、AIのOSである。OpenClawに対するNVIDIAの回答がNemoClawであり、セキュリティやガバナンスを実現する。それか、新たに発表された手元に置けるAIスパコン『DGX Station』も重要だ。GB300 Grace Blackwell Ultraチップを搭載し、748GBのコヒーレントメモリを搭載。最大20PFlopsのAI演算性能を実現し、1兆パラーメータのAIモデルを動かすことができる。
最後のポイントがフィジカルAIであり、“研究展示”から“設計と運用”へとフェーズが移り変わった。アスクもフィジカルAIのノウハウが溜まってきており、さまざまなサポートができると考えている。
冒頭、日本のAIが2週遅れといったが、技術的に遅れているというよりAIを捉える概念が違うと思っている。日本が巻き返せるポイントは3つあり、1つ目は現場データと業務がすでにあり、業務フローが明確で、『使う場所』が最初から決まっていること。ここは強みだと思う。2つ目は改善前提の文化があること。PDCAやカイゼンなど、AI以前から日本企業は取り組んでおり、フィジカルAIやエージェントAIとの相性が良いと考えている。3つ目は今からなら“運用前提”で設計できることだ。ここ4~5年、PoCからAI導入を行なっており、ベースとしては何かしらのモノはあるため、最初から『推論・運用・改善』を前提に作れることはメリットである」
GTC 2026の大きなテーマとなったフィジカルAIの現状
次に田中氏が、GTC 2026について「GTC 2026推論とオープン化を加速 フィジカルAIとデジタルツイン最新アップデート」と題した講演を行なった。フィジカルAIについての内容は以下の通りだ。
GTC 2026は1000を超える技術セッションやワークショップなどが行なわれ、史上最大規模となった。日本からは800人以上が現地参加した。全体的なテーマは、学習から推論へということと、エージェントAIが実用になってきたということ、そしてオープン化である。NVIDIAはAIのインフラ企業であり、AIインフラは5つのレイヤーから成り立っている。一番下がエネルギー、その上にチップがあり、その上にインフラ、モデル、アプリケーションが構築されている。推論ではトークンコストを下げることが重要だが、最新のGB300 NVL72では従来に比べて50倍の電力あたりスループットを実現し、トークンコストを1/35にすることができる。また、AIファクトリー向けの次世代製品であるVera Rubin NVL72は、Blackwellと比べてNVFP4の性能が5倍に向上しており、電力あたりの性能は10倍に向上している。
フィジカルAIは、次の1超ドル規模のマーケットであり、50超ドル規模の産業を変革すると予想されている。フィジカルAIは、3つのコンピューター上の3つのオープンモデルとライブラリプラットフォームによって実現される。フィジカルAI基盤モデルによって、センサー入力やテキストの指示から、物理的な特性に従った動画、つまり行動指針が生成される。その指針に基づいて工場や自動車、ロボットなどが自律的に動作する。NVIDIAは2025年1月にフィジカルAIのための世界基盤モデル、Cosmosを提供し、すでに600万ダウンロードを超えている。その主なコンポーネントは3つあり、Cosmos Reason 2.5は、リーズニングVLMであり、画像を見てAIが何が行なわれているかを全て判断してくれる。Cosmos Predict 2.5は、世界生成AIであり、ロボットのトレーニングを行なうためのデータの作成などが可能だ。Cosmos Transfer 2.5はフォトリアルなデータ拡張を行うAIであり、写真やLIDARなどのデータを取り入れて合成することができる。これらがそれぞれアップデートされ、GTC 2026でも実際の利用例が発表された。
また、小型軽量のDGX Sparkによって机の上でリアルタイムのビデオ分析が可能になり、サイズの小さい2BモデルならDGX Sparkでも十分なパフォーマンスを出せる。
デジタルツイン基盤「Omniverse」の活用も広がる
さらに、田中氏は、デジタルツインの今後について、次のように解説した。
デジタルツインは自動車産業だけでも、さまざまな活用が考えられる。デザインはもちろん、シミュレーションや目視検査、倉庫の管理・物流などもデジタルツインが活用されてきている。NVIDIAが提供しているデジタルツイン基盤が「Omniverse」であり、そのデータフォーマットがOpenUSDである。OpenUSDは当初はピクサーがアニメーションを作るために開発したフォーマットだが、オープンソース化され、AppleやNVIDIAが採用し、強化したことで業界標準のフォーマットとなった。現在ではCADやシミュレーションソフトなどで広く使われている。NVIDIAは、Omniverseブループリントとして、CAEやシミュレーションを、NVIDIA Omniverse上で高速に実行するためのリファレンスフレームワークを提供しており、さまざまな企業が活用している。
DGX Sparkは最大4台までの接続が可能に
さらに、NVIDIA ビジネスデブロップメントマネージャの高橋想氏が、DGX SparkとDGX Stationについてのプレゼンテーションを行なった。DGX Sparkに関する内容は、以下の通りだ。
従来、AIエージェントを作るには色々な手法があったが、OpenClawが登場して、皆さんが使いやすい形になったので、NVIDIAもOpenClawを活用していく。ただし、オープンソースのOpenClawにはセキュリティ的な問題があるので、そこをカバーしたNemoClawを開発した。AIエージェントはさまざまな業務を効率化することができるが、それを動かすためのインフラとして、弊社が開発したのがDGX Sparkである。こちらはすでに販売されているが、新製品としてGB300を搭載したDGX Stationを発表した。AIの処理で、推論が非常に重要になってくるということは、すでに紹介した通りだ。その推論のためのパーソナルAIスーパーコンピューターがDGX Sparkだ。GB10 Grace Blackwellを搭載し、128GBのコヒーレントメモリを搭載しているので、従来、ワークステーションやPCでは扱えなかった精度の高い大きなモデルを使えることが特徴だ。パラメーター数でいうと、2000億パラメーター、200B規模のモデルを扱え、ローカルでファインチューニングを行うこともできる。DGX Sparkについては、ワークロードごとに手順が書かれたPlaybookが用意されているので、スムーズに導入できる。
動画の分析が可能なVSSを使えば、動画データからインサイトを導き出したり、要約や検索などが可能だ。こちらもDGX Sparkで動作するので、それぞれのデスクでリアルタイムのビデオ分析を行なうことができる。また、DGX Sparkは、従来2台までのクラスタ接続をサポートしていたが、GTC 2026で4台の接続がサポートされ、より大規模なモデルを扱うことができるようになった。
GB300搭載のDGX StationはH200の2.5倍から3.7倍高速
続いて、高橋氏は昨年発表されたGB300を搭載した最新のDGX Stationについて、次のように解説を行なった。
これからのAIエージェントは裏側で常時色々なタスクが動いているため、API課金ではコストが非常に高くなる可能性がある。例えば、無限ループに入ってしまい11日間で74,000ドルのコストがかかったという事例もある。そのため、クラウドを使わず手元でAIを動かしたいというニーズある。また、データに関しても手元にある機密データをローカルで使いたいというニーズもあり、そうした要望に応えるためにDGX Sparkや、より性能の高いDGX Stationを開発した。性能が高いモデルほど、多量のGPUメモリが必要になるが、DGX Sparkでは128GBのコヒーレントメモリを搭載し、2000億パラメータくらいのモデルを動かすことができる。それに対してDGX Stationでは748GBという大容量コヒーレントメモリを搭載しており、Kimi K2.5のような1兆パラメータという非常に大規模なモデルも動作させることができる。このDGX Stationがもうすぐ市場に出てくる。
DGX Stationの性能だが、前世代のデータセンター向けのハイエンド製品H200と比べても、2.5倍から3.7倍の性能があり、追加コストをかけずにAIエージェントを動かすことができる。NemoClawのリファレンススタックも提供しており、ワンコマンドでセットアップできる。また、AI開発に必要なツールがプリインストールされており、すぐにAI開発を行えることも特徴だ。会場でもGIGABYTEがDGX Stationを展示しているが、日本では初のお披露目となる。
GIGABYTEがGB300搭載のDGX Stationを日本で初めて展示
展示エリアは、「フィジカルAIソリューション」「ロボティクスソリューション」「生成AIソリューション」「データセンターソリューション」の4つのテーマに分けられ、パートナー各社の製品やサービスが展示されていた。
中でも注目は、GIGABYTEが展示していた「W775-V10-L01」である。これは、GB300搭載のDGX Stationであり、実機の展示は日本初とのことだ。マザーボードのヒートシンクは取り外されており、GB300の実チップを見ることができた。現在注文受付を開始しており、来月以降に出荷が開始される予定とのことで、価格は2,000万円程度になるとのことだ。
また、ローカルAIエージェントに関する展示では、DGX Sparkを4台クラスタ接続し、大規模なモデルを動かすデモが行なわれていたほか、ロボティクスソリューションに関するデモなども行なわれていた。










































































































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