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商用Open RAN省電力化レベル4でAIが自律的にネットワーク運用を最適化

 楽天モバイルは2月に、自律型RAN省電力化ソリューションが、国際的な通信業界団体TM Forumが定める自律型ネットワークの評価基準において「レベル4」の認定を取得したと発表した。

 同社は、AIの活用により通信トラフィックの状況に応じて消費電力を自動調整することで、従来ネットワークと比較してRANにおける消費電力を約20%削減することに成功しているという。

「自律型ネットワーク」とは

 TM Forumは、完全な「自動運転ネットワーク」をレベル0から5までの6段階で定義している。

  • レベル0-1:人が手動で運用し、基本的なタスクを単純なスクリプトで自動化。
  • レベル2:複数のタスクをワークフローとしてつなげたプロセス自動化。ただし、例外的な処理は人が対応。
  • レベル3:既知の問題を検知・解決できる、先を見越した自動化。ただし、想定外の状況では人の判断が必要。
  • レベル4:AIと機械学習を活用し、想定外の状況に自律的に適応・最適化できる「認知型自動化」。
  • レベル5:複数のサービス、ドメイン、ライフサイクル全体にわたり、認知的な自己適応が可能な完全自動化。

 多くの通信事業者で、すでにソフトウェアによる定型業務の自動化が進んでいる。しかし、現状の自動化の多くはルールベースであり、事前に人が想定したシナリオの範囲内でしか対応できない。一方レベル4では、ネットワークが想定外の状況にも自律的に対応する。

商用Open RANネットワークにおける精密な電力効率化

 レベル4の自律性を実現できた背景には、楽天モバイルが取り組んできた「Open RAN」アーキテクチャーが関わっている。多くの通信事業者が採用している従来の閉鎖的なネットワークでは、データが分断されAIが十分にデータへアクセスできない「サイロ化」する傾向がある。

 しかし、楽天モバイルのネットワークはオープンでクラウドネイティブ、かつ完全にソフトウェア駆動型であるため、AIを運用の中核に配置できるようになる。

 楽天モバイルのネットワーク運用統括部ディレクターを務めるシェーレシュ・グプタ氏は、レベル4への到達を「コンセプトの実証段階から、厳格な運用規律への移行」と表現している。

シェーレシュ・グプタ(後方左から4番目)と、ネットワーク運用チームのメンバー

 グプタ氏は、この精密な運用を実現する中核となる3つの原則を挙げている。

  • 「予測学習」:AI解析プラットフォームがユーザーの移動パターンやトラフィック負荷をリアルタイムで監視し、問題が発生する前に予測・対処。
  • 「詳細なデータ分析」:ネットワークの潜在的なパターンを発見。
  • 「リアルタイムのセーフティネット」:異常をリアルタイムで検知。

ネットワークパフォーマンスとサステナビリティの両立

 5Gの普及により通信量の増加が続く中、消費電力の自律的な最適化は、技術的な成果にとどまらず、業界のCO2排出の削減と電力コスト上昇への対応に向けて不可欠となっている。

「レベル5」への道のり

 人の介入を必要としないレベル5の自動化は、業界の最終目標であり、すぐに実現するものではない。しかし、楽天モバイルは、クラウドネイティブアーキテクチャーに加え、大規模なリアルタイム判断を可能にするAIの運用実績の強みを生かし、レベル5達成に向けて、引き続き取り組んでいくとしている。