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FRONTEOと東京科学大学、AI創薬の産学連携研究拠点開設の協定調印式を実施

アルツハイマー病や癌などアンメット・メディカル・ニーズの高い疾患領域を対象とした共同研究

本日行なわれた調印式の様子

 FRONTEOと東京科学大学は、4月1日に東京科学大学横浜キャンパス内に開設した「FRONTEO AI創薬エコシステム協働研究拠点」の協定調印式を4月27日に開催した。

 この拠点では、FRONTEOの方程式駆動型AI「KIBIT」と、東京科学大学が有する「PLOM-CON解析法」や「リシール細胞技術」といった先端技術を融合させ、仮説生成から実験検証まで一気通貫で行えるようになる。

同拠点の新たな価値創出

 同拠点により、製薬産業では高度な作用機序理解や生体理解に基づく良質な創薬シーズの獲得、大学では研究成果の社会実装へとつなげる仕組みの構築、社会に対しては革新的な治療法・医薬品の創出という価値をもたらすことが期待される。

 共同研究は、がん領域をはじめとするアンメット・メディカル・ニーズの高い疾患領域を対象としており、研究で発見した有望な創薬シーズは、導出も視野に入れた展開を検討するという。

 また、研究で得られた発明等は、FRONTEOが東京科学大学と協議の上で、知的財産権の一部または全部の取得を検討する。

同拠点を支える革新的技術

FRONTEOの技術:「非連続的発見」を可能にする方程式駆動型AI「KIBIT」

 FRONTEOが提供するAI創薬支援サービス「Drug Discovery AI Factory(以下、DDAIF)」は、「KIBIT」を中核エンジンとして、創薬研究者およびAIエンジニアの知見を融合したサービス。一般的な自然言語処理AIやナレッジグラフは、「AはBに関係」「BはCに関係」といった連続的な繋がりから推論を行なうが、この「連続的発見」のアプローチでは、研究者が求める新しい発見を導くことは困難という。

 「KIBIT」は独自の方程式により、論文に直接記載されていない疾患と遺伝子の「非連続的」な関連性を予測することが可能であり、この技術は日本・米国・欧州で特許を取得している。

 DDAIFのこれまでの実績は、すい臓がん研究において約20,000のヒトの全遺伝子の中から、標的分子候補17遺伝子を抽出し、in vitro試験により6遺伝子ですい臓がん細胞の増殖抑制を確認している。また、従来約2年かかっていた「標的分子探索」のプロセスを2日に短縮した。

東京科学大学の技術:「PLOM-CON解析法」と「リシール細胞技術」

 東京科学大学は、2026年1月に文部科学省より国際卓越研究大学に認定されるなど、日本を代表する研究機関の1つで、同大学の村田昌之特任教授らの研究グループは、細胞科学における革新的な先端技術を有している。

・PLOM-CON解析法
 単一細胞内のタンパク質の量的変化および質的・時空間的(局在)変化に基づき、細胞状態を解明する技術。従来の静的解析が「点を見る」アプローチであるのに対し、PLOM-CONは「システム全体の揺らぎを見る」動的ネットワーク解析により、病気の初期(前兆)段階での細胞状態変化を検出し、新規標的の発見や作用機序の解明を可能にする。

・リシール細胞技術
 細胞膜を一時的に開放し、内部のタンパク質や因子を物理的に置換した後、再び膜を修復して新たな機能を持つ細胞を構築する技術で、10数年かかる疾患の発症過程を、実験室でその日に解析することできる。