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トレンドマイクロが考えるAI時代のセキュリティ

法人向けブランド「TrendAI」、個人向けブランド「TrendLife」を立ち上げ

(左から)TrendAI 最高プラットフォーム責任者(CPO) 兼 最高事業責任者(CBO)のレイチェル・ジン氏、取締役副社長の大三川彰彦氏、代表取締役社長 兼 CEOのエバ・チェン氏、Anthropic 副最高情報セキュリティ責任者のジェイソン・クリントン氏、TrendLife 最高コンシューマー事業責任者のフランク・クオ氏、チーフカスタマー エクスペリエンス オフィサーのピーター・チャン氏

 トレンドマイクロは4月15日、AI時代の法人向けセキュリティソリューションの新ブランド「TrendAI」の立ち上げを発表した。個人向けには「TrendLife」というブランドを立ち上げる。

 同日都内で開催された発表会において、代表取締役社長 兼 CEOのエバ・チェン氏は、「AIによってソフトウェアは根本的に変わる。以前、ソフトウェアが行なっていたのは、データの収集、整理、提示だった。しかし、AIを搭載した新しいソフトウェアでは、それだけでは不十分。AIは以前は収集できなかったユニークなデータを収集することを可能にする。それらのデータを通じて推論を行ない、下すべき決断を導き出す」とした上で、「AIによって攻撃者は脆弱性をより早く発見し、個人をより正確にターゲットにできるようになる。幸運なことに防御側もAIを使って新世代のサイバーセキュリティを強化できる。サイバーセキュリティはAIを使い、旧来の構造のソフトウェアを守るだけでなく、新しいAIエージェント時代のソフトウェアを理解し、ガバナンスを提供する必要がある」と語った。

 TrendAI 最高プラットフォーム責任者(CPO) 兼 最高事業責任者(CBO)のレイチェル・ジン氏は、「AIは攻撃者の手法も変えている。スピードが重要だが、ガバナンスも重要になる。AIの利用をどう管理するか。それは可視化から始まり、どこで何が使われているかを知る必要がある」と指摘する。

 TrendAIの中核となるのは「TrendAI Vision One」というソリューション。「AIエージェントを使い、重要なアラートをインテリジェントに優先順位付けする。そして、デジタルツイン技術でSOC(Security Operation Center)チームが攻撃経路を可視化・予測できるようにする」(ジン氏)。

TrendAI Vision One

 ジン氏は、TrendAIへの理解を深めてもらうイベント「TrendAI Spark」を世界100都市で開催し、日本でも7月の東京を皮切りに5都市で開催するとして、イベントへの参加を呼びかけた。

 一方、個人向けのTrendLifeブランドの下では、家族向けのAIサービス「Kaleida(カレイダ)」を開発。第1段階では、物心ついたときからAIが存在するAIネイティブ世代の子どもたちの成長や、AIに関する知見が不足しがちな高齢者の見守り機能が提供される。

Kaleidaで解決を目指す家族の課題

 TrendLife 最高コンシューマー事業責任者のフランク・クオ氏は「子どもたちはAIと共に育っている。彼らはGoogle検索をせず、ただ問いかける。しかし、ここには注意すべき根本的な変化がある。AIがただ答えを与えてしまうと、子どもたちは批判的思考を築くのをやめてしまうかもしれない。そして、家族の価値観との乖離が始まる可能性がある」と指摘。

 一方、高齢者についても「多くが詐欺に直面している。詐欺はより巧妙に、より標的を絞ったものになっている。私たちの世代にとっての真の課題は、家族の至る所で決断や判断が行なわれる中で、どうやって家族の足並みを揃え続けるか」だとして、TrendLifeを家族内での相互ケアに役立ててほしいとアピールした。

 今回の発表会においては、具体的な機能の詳細は明らかにされなかったが、子どもが生成AIを活用してコンテンツを作る際に、どの程度AIに頼ったのかを判定し、頼りすぎを防ぐことで健全な成長を促したり、AIが家族全員の行動を理解し、家族で決めたお婆ちゃんの誕生パーティの開催に向けて個々のタスクの完了をサポートしたりするというコンセプトが披露された。

 同社によれば、Kaleidaのリリース時期は2026年後半となっているが、早期提供に向けて事前登録制のプログラムも実施する予定。当初はスマートフォン向けのアプリとして提供し、PCなど他のプラットフォームへの対応の拡大を検討していくとしている。