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大規模言語モデルなどのAIで文脈を読んで翻訳できる時が来る?

 AIソリューション事業を手がけるヘッドウォータースのメンバーは、「大規模言語モデル(LLM)による物語翻訳感性サロゲート」に関する研究成果を、第21回日本感性工学会春季大会 & ISASE2026において発表した。

 小説や漫画、アニメ、映画などのコンテンツは単なる事実関係だけでなく、物語の設定をはじめ、キャラクターの感情の動きやそれに伴った表現など、人の心を動かす内容となっている。それだけに意味の正確さはもちろんのこと、登場人物の個性、語調、場面の躍動感といった文脈を読むことが必要となる。

 今回発表された「大規模言語モデル(LLM)による物語翻訳感性サロゲート」の研究では、評価観点として忠実性、世界観、キャラクター性、語調、躍動感、総合評価など、物語翻訳で重要となる複数の軸を設定。直接評価と比較評価(ペア比較)を用いて検討を行ない、比較評価の集計には数理モデル「Bradley-Terryモデル」を採用し、主観的な評価結果を構造化しやすくしたという。感性的な品質を評価する際には評価軸を先に定義し、その軸に基づいてAI評価を設計することが重要としている。

 この研究での評価設計は、AIによる翻訳品質評価の高度化に加え、生成AIを活用した文章生成、ローカライズ、ブランドトーンの整合性確認など、人が感じるあいまいな評価軸になりがちなコンテンツ品質管理やローカライズといった分野への、AI展開も期待できるものとなっている。