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量子×AIでアニメ画像生成。TOPPANと慶應大が新手法を実証

 TOPPANホールディングスは、慶應義塾大学と共同で、量子コンピュータと生成AIを用いた漫画・アニメーション制作支援に関する実証実験を2月1日から7月31日まで実施した。

 画像生成AIで現在主流の拡散モデルは、ノイズを少しずつ取り除きながら画像生成する処理を何度も繰り返すため、計算工程が多く生成に時間がかかるという課題がある。そこで同実証では、より少ないステップで生成できる「フローマッチング」手法に着目。慶應義塾大学がフローマッチングを量子回路へ実装してキャラクターの構造などコア画像を生成し、TOPPANがAIを用いて背景生成・カラー化・高解像度化を補完するハイブリッドモデルを構築した。

 結果として、10qubitの量子コンピュータ実機を用いた検証では、髪型や表情を指定した16×16ピクセルのコア画像生成に成功。AIによる補完処理を経て、実用に耐えうる256×256ピクセルのカラー画像として出力できることを確認したという。

 また、シミュレーション検証では、量子回路の小型化により演算回数を従来の約6分の1に削減しつつ、識別精度を16%から78%へ大幅に向上している。1万件の少量データによる学習比較でも、従来のコンピュータによるAI(54.3%)を上回る78.3%の精度を達成し、局所解を回避できる優位性が示されたとのことだ。

同実証の概要

 今後の課題としては、現在のコンピュータによるAIモデルに対して、量子実機上における画像生成精度および生成時間の優位性が挙げられた。同社は、今後も慶應義塾大学と研究開発を進めるとし、3D・4Dを含む多様なコンテンツ制作などへ応用を広げ、クリエイターの制作支援や持続可能なコンテンツ産業の発展に貢献する用途開発を目指すとしている。