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TDK、スマートグラス普及を加速させるメタオプティクスミラーを開発

CEATECで一般公開

 TDKは10月2日、メタオプティクスミラーを使ったスマートグラス向けの網膜直接描画ディスプレイの実証に世界で初めて成功したと発表した。同技術を用いたスマートグラスが13日から開催されるCEATEC 2026で一般公開される。

 Even G2やRokid スマートAIグラスなど、現在主流となっている一般的なスマートグラスは導波路型と呼ばれる表示方式が用いられているが、網膜直接描画(DRP:Direct Retinal Projection)方式は可視光レーザーをミラーに反射させ、網膜に映像を届ける仕組みとなっている。

 DRP方式は、その名の通り網膜に直接映像を送り込むことから、視力矯正に頼らないフォーカスフリーで、投影に必要な光量も1μWと低消費電力といったメリットがあるとされる。

網膜直接描画(DRP:Direct Retinal Projection)方式

 その一方で、同方式を採用した既存のデバイスには目の前を塞ぐ形で分厚い曲面ミラーが搭載されており、メガネとしての実利用を想定すると、ファッション性に乏しく、視野も大きく遮られるといった課題があった。

従来のDRP方式のデバイスの課題

 今回発表された技術は、ナノサイズの反射体を使用し、150nmという薄さを実現したものとなっており、レンズに埋め込み可能で、透過率も80%と高く、DRP方式でありながら、導波路方式同様に、ごく普通のメガネとしての見た目や使い勝手を実現できる。

今回開発した技術の特徴
メタオプティクスミラーの利点

 同社では、モノカラー(グリーン)のデモグラスを完成させ、CEATECで披露するが、フルカラー対応のデモグラスも2027年3月をめどに開発を進めている。同技術を搭載したスマートグラスは、2028年度中にも登場する見込みだ。

開発状況と将来ビジョン

 同社によれば、導波路方式よりもシンプルな構造となっていることから、製造プロセスもシンプルで、コスト面での優位性もあるとしており、スマートグラスの本格的な普及に不可欠な技術として期待される。

上段が開発初期段階のもので、透過率が低かったが、右下→左下へと開発が進むに従ってレンズに自然に馴染んでいることが分かる

 カメラと組み合わせれば、近視や遠視を問わず、常にクリアな映像を見ることができ、デジタル処理でズームなども可能となることから、メガネそのものの革新に繋がる可能性も秘めている注目の技術と言える。