ニュース

フィジカルAIの開発ライフサイクル全体を構築する「AWS Physical AI Toolchain」

AWS Physical AI Toolchainのコンポーネント

 Amazon Web Services(以下、AWS)はAWS上でフィジカルAIの開発ライフサイクル全体を運用するためのリファレンスアーキテクチャなどを1つにまとめ、NVIDIA Physical AIスタックと統合したツールチェーン「Physical AI Toolchain on AWS」を発表した。

 フィジカルAIは、現実世界に対し感知、判断、実行を継続的なサイクルで行なう。オフラインの評価では高い精度を出せるモデルも、雑然とした倉庫で6軸アームを200Hzで制御しなければならないとなると、うまく機能しない場合も存在する。開発プロセスでは、物理的な力学特性、リアルタイムの制約、センサーノイズ、安全上の境界、遅延、そして現実世界でのテストではハードウェアの破損の可能性もあり、コストがかかることを考慮する必要がある。

フィジカルAIのライフサイクルは循環構造となっている。デプロイされたロボットが新たなデータを生成し、エッジケースを明らかにする。このようなエッジケースは、新たなシミュレーションシナリオの手がかりとなる。シミュレーションにより合成トレーニングデータが生成され、より向上したモデルは、徐々に難易度を上げたテストにより検証されていく。このサイクルを繰り返し、反復のたびにシミュレーションと現実世界のギャップを縮めていく

 フィジカルAIにおいて、ツールチェーンは、データの取り込みからシミュレーション、エッジデプロイに至る整合性のある検証済みのプロセスであり、多くのチームが時間を費やす引き継ぎの部分を担うもの。

 AWS Physical AI Toolchainは、AWS上でのフィジカルAI開発ライフサイクル専用に設計された、リファレンスアーキテクチャ、Infrastructure as Code、デプロイ自動化機能を組み合わせた、一般公開されているコレクション。このツールチェーンにより、チームは引継ぎのたびに基盤を構築し直すことなく、再現性のある方法で、データ、モデル、シミュレーションジョブ、デプロイメントアーティファクトをステージ間で移行することが可能となる。

 このツールチェーンは、スケーラブルなトレーニングやロボットポリシーの展開のためにクラウドベースのインフラストラクチャを必要とするロボティクスエンジニア、MLエンジニア、プラットフォームチーム、ソリューションアーキテクトなどを対象としており、直接的にメリットが得られる業界としては、製造・産業オートメーション、倉庫・物流、エネルギー・公益事業、医療・ライフサイエンス、鉱業・建設、農業、航空宇宙・防衛などが挙げられる。