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パナソニックHD、高齢者の変化を早期発見する介護AI開発

 パナソニック ホールディングス(以下、パナソニックHD)は、介護職員のケア業務を支援する「予兆ソリューション」を開発した。10月より、社会福祉法人ユーアイ二十一と協力し、実際の介護現場での有用性と運用性を検証する実証実験を開始する。

 高齢化の進展と介護人材不足を背景に、介護現場では限られた人員でケアの質を維持・向上させることが課題となっている。この課題に対し同社は、センサーデータを活用し、一人ひとりの健康状態の変化の兆しを捉える「健康状態変化解析AI」と、解析結果の根拠や観察のポイントを整理して提示する「レポート生成AI」で構成される予兆ソリューションを開発。変化の傾向と根拠をグラフや文章で可視化するとともに、介護現場における状態確認の参考情報として提示する。

予兆ソリューションの概要

予兆ソリューションの特徴

生体情報・生活情報から健康状態の変化の兆しを捉える健康状態変化解析AI

 心拍数、呼吸数、体動状況、睡眠状況、ベッド在状況など、見守りセンサーから得られる生体情報・生活情報を活用し、高齢者一人ひとりの平常時の状態を基準に、健康状態の変化の兆しを解析する。

 約2,000人を対象とした性能評価では、高齢者一人ひとりについて、日ごとの統計解析に加え、前日・前々日との差分を特徴量として解析し、個人の平常時との違いを抽出することで、目視や本人からの自己申告だけでは把握が難しい変化についても、状態確認のきっかけとなる情報を提供できる可能性が示された。

 具体的には、過去の介護記録に健康状態の変化が記録されていたタイミングを、健康状態変化解析AIが捉えた割合を示す再現率は89.4%、健康状態の変化が記録されていないタイミングで「変化あり」と評価した誤報率は10.5%となった。

予兆の根拠と観察のポイントを文章化し、現場のケアにつなげるレポート生成AI

 健康状態変化解析AIが捉えた健康状態の変化に関して、根拠となるセンサーデータや過去の状態との比較を分かりやすく表示し、介護職や看護職など、多職種で共有しやすいレポートを作成する。レポートは、変化傾向や観察のポイントを整理した文章およびグラフで構成される。

レポートのイメージ

特定の見守りサービスやセンサーに依存しない共通基盤

 同ソリューションは、複数のセンサーデータを組み合わせて活用できる。特定の見守りサービスやセンサーに依存せず、すでに介護現場で普及している見守りシステム上で活用できる共通基盤として、機器ごとに異なるセンサー信号の正規化・特徴抽出を推進する。将来的に、適用可能な見守りシステムの拡充を目指している。

 今後は、実証実験で得られた知見をもとに解析手法やレポート内容を改善するとともに、見守りサービス事業者をはじめとする社外パートナーとの協業を拡大し、勘や経験だけに頼らないデータに基づく介護の実現に向けた技術開発を推進していく。