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Google、東京大学・松尾/岩澤研究室による自治体における生成AI活用事例を紹介
2026年9月29日 15:22
Googleの日本法人は、2024年6月より東京大学の松尾・岩澤研究室とともに「ローカルAIプロジェクト」を発足。「AIの力で解き放とう、日本の可能性」を標榜し、地方自治体での生成AIモデルの実装とAI人材育成を通じ全国の自治体の地域課題解決を支援してきた。
プロジェクトの起点としては生成AIの実装となるが、Googleによれば、「技術先行ではなく、あくまでもAIの使い道、何をするのか、できるのかという目的意識が大切」としている。
ちまたにあふれかえるAI製品のセールス文言には脅迫的に「今の時代、AIを導入しなければならない」といった文言が並びがちだが、AIはあくまでも、問題解決のツールの一つであり、目的を持って使用することが大切だという。「手段のためには目的は問わない」のではなく、「目的のための手段の一つ」なのだ。
このことから、Googleと松尾・岩澤研究室では、ただ単に汎用AIを作成するのではなく、各自治体の問題点を現場とともに拾い上げ、その地域のデータと結びつけ、それぞれの地域に即したAIの利用を考えるという方法でプロジェクトを広げている。また、人材育成についても、単に他から専門家を連れてくるのではなく、現場を熟知している人たちがAIを使用できるようになることが重要であるとして、同時に進めている。
今回、報道関係者を対象に、生成AIを活用した取り組みや今後の構想について、同プロジェクトに参画している自治体の担当者による説明会が行なわれた。参加した自治体は、山口県、北海道南富良野町、福井県。それぞれ抱える問題は違っており、それぞれ全く違ったAIによる取り組みが行なわれている。
山口県「生成AIで地域企業のDX相談業務を高度化」
山口県では、DX(デジタル技術によるビジネスの変革)を推進するための拠点として「Y-BASE」が設置されているが、ここにはさまざまな業者や業界の人が集まり、それぞれ違った問題を抱えている。このため、まずは来場者にとって何が課題なのかのヒアリング、情報の整理などからスタート。これらはこれまで職員により手作業で行なわれており、これらの業務により時間が圧迫され、他の来場者への対応が遅れてしまう結果になっているという。
今回のプロジェクトでは、3つのエージェントにより、時間の短縮を実現できているという。1つ目のAIエージェントは、予約時に相談内容やヒアリングを担当。来訪前に課題整理を行ない、方針や宿題を提示。それを踏まえ、2つ目エージェントが面談準備のための事例や補助金、ソリューションの事前資料のまとめや提案内容の洗い出しを行なってくれる。これらにより、担当者はコンサルタントとしての来場者面接に集中でき、さらに3つ目のAIはこの面談のサポートにあたってくれる。
1つ目のエージェントによる事前のヒアリングについては、来場者は「コンサルタントで何を聞かれるのだろうか?」といった不安を抱くことが多いため、AIが対応することで、心理的障壁も下げてくれているという。
山口県の担当者は今回のプロジェクトを通じ、「AIを利用するにあたり、雑多な情報を整理する、データ整備が重要であると感じた」とコメント。今後の展望としては、これまでのやりとりなどをデータ化し学習させることで、「コンサル支援ツール」が「AIコンサルタント」として成長していくよう、役立てていきたいとしている。
北海道南富良野町「SNS・地域情報を活用したAI観光チャット」
南富良野町は多くの観光資源を持つ、北海道の中央に位置する町。観光資源は多いが、道の駅や現地アクティビティを利用し、すぐに町を離れる通過型の観光客が多く、滞在型の観光を充実させていきたいという想いがあった。
同時に人口減少などもあり、きめ細かい情報発信ができていないという課題もあった。このため、地域の各アクティビティ施設や観光施設、店舗などが発信しているSNS情報をAIが集約し、「今の情報を知りたい」観光客からの問いに答えられるAIチャットボットを構築。Webには過去の情報も溢れているが、SNSの公式情報を集約することで、観光客の求める最新の情報に応えられるようにするのが目的だ。
今後の課題としては、町の人たちの情報発信が増えることで「町の『今』が資産になる」とし、そのまま観光案内となる状況を進めていきたいとしている。課題点としては、町のレストランやレジャー施設、ホテルお土産屋さんなどのSNS発信が増えていかなければそもそも成り立たないため、より情報源を厚くしていくよう施策を進めていくという。
福井県「製造業の技術営業・案件開発支援AI」
福井県には、眼鏡や漆器、箪笥など伝統的な技術が蓄積された多くの産業があるが、これらの技術を営業としてどうやって顧客に提供していくのかという点が注目を集めているという。この場合の「営業」は、顧客の課題を自社技術で解決する技術営業力が必要で、さまざまなタイミングで高度な判断が求められることから、営業力が個人の暗黙知に留まりがちで、判断基準の言語化が求められており、商談力のノウハウ継承が問題になっているという。
これに対して、データの取り込みから実商談、振り返りまでAIにより支援し、情報を蓄積することでノウハウの蓄積、継承を行なっていくシステムを作成。この中には顧客をAIが担当しこれまでのデータをベースにした商談のシミュレーションも行なうことができ、評価もAIが行なう。これにより福井県の県内製造業の受注機会の拡大を図っていくとしている。


















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